イランによるホルムズ海峡の封鎖のなか、直近3週間で約70隻の船舶が自動識別装置(AIS)を切ったまま米軍の指示を受けて海峡を通過したことが分かった。
米国のニューヨーク・タイムズ(NYT)は5月31日(現地時間)、匿名の米政府関係者を引用し、米中央軍がここ数週間、ペルシャ湾を往来する一部の商船に対しホルムズ海峡の通過ルートを案内してきたと報じた。
NYTによれば、船舶はイランの追跡を避けるため夜間照明を消し、AISを無効化した状態で航行した。AISは船舶の位置や航路、速度などをリアルタイムで送信する装置だ。これを切ると外部から船舶の動きを把握しにくくなるが、他船との衝突リスクは高まる。
船舶アナリストは、米軍の支援を受けた商船が比較的安全なオマーン沿岸側の航路を利用して海峡を通過したとみている。米中央軍の報道官はNYTに「米軍が直接護衛任務を遂行しているわけではないが、商船がホルムズ海峡を安全に通過できるよう継続的に交信している」と明らかにした。
米軍の案内に従った一部船舶の海峡通過は、イランの脅威下でも海峡の通航が完全に途絶してはいないことを示す。ただし通過船舶数は1日平均3隻水準で、戦争以前に1日100隻以上が往来した時と比べれば、依然として正常化には程遠いとの見方が出ている。
現在、米国とイランは終戦交渉を進めるなか、核問題とともにホルムズ海峡の通航問題でも対立している。米国は、国際海上交通路であるホルムズ海峡が戦争以前のように自由に開放されるべきだとの立場だ。
一方、イランは海峡の統制権強化を試みている。世界の原油と液化天然ガス(LNG)の海上物流量の約20%が通過する戦略的要衝であるホルムズ海峡で、船舶1隻当たり最大200万ドル(約30億ウォン)の通行料を課す案を推進中だ。
米国はこれにブレーキをかけている。米財務省外国資産管理局(OFAC)は、イランがホルムズ海峡の通航を管理する名目で設立したペルシャ湾海峡庁(PGSA)を27日に制裁リストに載せた。国際水路に対するイランの一方的な通行料賦課を認めないとのシグナルと解釈される。