アジアの富裕層の間で「富の世代交代」が最大の関心事として浮上しているが、相当数は明確な承継計画すら立てていないことが分かった。高齢世代が依然として資産と投資の決定権を強く掌握する一方で、承継準備は相対的に手薄だという分析が出ている。
スイスのプライベートバンク、ロンバー・オディエは最近の報告書で、アジア・太平洋地域の富裕層を対象に実施した調査において、回答者の39.4%が「資産承継計画が全くない」と答えたと明らかにした。完全な承継計画を整備したと答えた割合は26.9%にとどまった。
今回の調査は投資可能資産が100万ドル(約15億ウォン)以上の富裕層約390人を対象に実施した。調査地域は日本・中国・香港・シンガポール・台湾・タイ・マレーシア・フィリピン・オーストラリアなどである。
ブルームバーグは報告書を引用し、アジアの富裕層の高齢世代が依然として投資と資産管理の主導権を強く握っていると伝えた。同時に、承継問題を過度に楽観視する雰囲気も感知されると分析した。
実際アジアでは承継の過程で軋轢が表面化した事例も相次いでいる。シンガポールの最大富豪一族では兄弟と父子間の対立が公に露呈し、香港の代表的な不動産財閥であるチョン(鄭)一族も負債問題と経営不安の論争に包まれた。数十兆ウォン台の資産を保有する創業者が、子女に経営権を引き継ぐか、プロ経営者体制へ移行するかをめぐり苦心しているとの分析が出ている。
世代間の見方の違いも鮮明だった。「所有権と経営権の円滑な移転」を核心課題に挙げた割合はベビーブーマー世代で13.6%にとどまったが、ミレニアル世代は37.4%、Z世代は30%に達した。
家族内のコミュニケーション問題を見る視点の差はさらに大きかった。「開放的な対話の不足が承継過程の大きな障害になり得る」と答えたベビーブーマー世代は5%に過ぎなかった。一方でX世代(32.6%)、ミレニアル世代(32.2%)、Z世代(30%)は3人に1人の割合でコミュニケーション不在を主要問題に指摘した。
地域別では日本・フィリピン・マレーシア・香港の承継準備水準が特に低いことが分かった。これら地域の回答者の約半数は「承継計画がない、または該当しない」と答えた。
報告書は「これはベビーブーマー世代の自信と統制力を示すものでもある一方で、逆説的には既成世代の開放性の不足を意味する可能性もある」とし、「世代間の認識差とコミュニケーションの不足が今後の資産承継過程の主要課題になる」と分析した。