米国の裁判所がワシントンDCの代表的な文化施設であるジョン・F・ケネディ舞台芸術センター(ケネディセンター)からドナルド・トランプ大統領の名前を削除するよう命じた。議会の承認なしに機関名称を変更できないとの判断によるものだ。
ロイター通信などによると、クリストファー・クーパー米ワシントン連邦地裁判事は29日(現地時間)、ケネディセンターの名称変更に関してトランプ政権に原状回復措置を命じた。
裁判所は14日以内に建物の内外にある関連標識を撤去し、政府の公式文書や広報資料などに使用された「トランプ・ケネディセンター」の名称も削除するよう指示した。
先にケネディセンターの理事会は2025年12月、センターの名称を「トランプ・ケネディセンター」に変更する案件を議決した。しかし裁判所は、ケネディセンターの名称変更権限は議会にあるとして、理事会の決定は法的根拠を欠くと判断した。
今回の判決でトランプ大統領が進めてきたケネディセンター改編計画にもブレーキがかかることになった。トランプ大統領は2期政権の発足以降、既存の理事陣を交代し、自身と近い人物で理事会を再構成した。その後、センターを約2年間閉鎖したうえで大規模な改修を進める案を示したことがある。
クーパー判事は、理事会が休館を決定する過程でも十分な検討が行われていなかったと判断し、当該決定も無効とみなした。ただし、今後独立した検討を経て必要性が認められる場合は、理事会が改めて関連決定を下すことができると説明した。
判決直後、トランプ大統領はソーシャルメディア(SNS)を通じて、ケネディセンターの運営権を議会に渡す考えを示した。トランプ大統領は「この失敗した機関を議会に再び渡し、今後どうするかを議会が決定できるようにする」と述べ、商務省に移管手続きを検討するよう指示したと明らかにした。
ただし、現行の法体系上、ケネディセンターの運営権を議会に直接移管できるかは不明確だとの指摘も出ている。
トランプ大統領は最近、政府事業や公共施設に自身の名前を使用する政策を相次いで推進してきた。連邦政府の児童資産形成支援プログラムには「トランプ口座」という名称が使われ、米海軍の新型艦艇には「トランプ級戦艦」の名称が検討されている。100万ドルを投資すれば永住権を付与する移民プログラムも「トランプ・ゴールドカード」という名称で進行中だ。