ドイツとフランスなど欧州連合(EU)の6大経済大国が、27加盟国に分散した資本市場を一つに束ねる統合交渉で合意の最終段階に至った。28日(現地時間)ブルームバーグとAPによると、ドイツ、フランス、イタリア、スペイン、ポーランド、オランダの6カ国の財務相はこの日、ドイツのベルリン近郊の迎賓館で会合し、資本市場同盟(CMU)交渉の最大の難題をめぐり折衷案を導き出した。これら6つのEU経済中心国は「E6」と呼ばれる。
CMUは加盟国ごとにばらばらに動くEU資本市場を米国型の単一市場に統合する計画である。資本市場とは、企業が株式・社債を発行して投資家から直接資金を調達する市場を指す。最近はコイン取引も性格に応じて資本市場に含める。これまで欧州の資本市場は米国と比べて過度に浅く細分化され、銀行融資への依存が過度だという指摘を受けてきた。加盟国ごとに規制がまちまちで、企業のコストが増え不要な混乱が生じるという問題も提起された。EUは金融危機以降、市民により良い投資先を開き、域内企業により多くの資金を供給するには、米国と中国に対抗する巨大な単一投資市場を作るべきだと決断した。その後、27カ国の資本市場統合計画を10年以上推進したが、なかなか進展が見られなかった。
特にドイツとイタリア、オランダなど主要国の反対が強かった。これらの国は自国の監督権限が現存するEU金融監督機構である欧州証券市場庁(ESMA)に移る事態を懸念した。ESMAはパリに本部を置くEUの証券・市場規制機関で、米国における証券取引委員会(SEC)の役割をEUレベルで担う機構である。27カ国の資本市場が統合されれば、この機関がEU27カ国の国境をまたいで大手証券取引所や清算機関、資産運用会社や暗号資産(暗号通貨)取引所まで直接監督する。
フランスとスペインはESMAに直ちに強力な権限を付与しようと押し切った。一方でドイツとルクセンブルク、アイルランドはESMAが主導する中央集権的な監督にブレーキをかけた。イタリアとオランダは最長8年の移行猶予期間を要求した。しかし前日、ドイツを含む6カ国が財務相会合の末に、ESMAの権限を可能な限り速やかに拡大する一方で具体的な期限は明示しないことで合意し、情勢が変わった。ラルス・クリングバイル独財務相は28日「資本市場同盟は、ドイツの国益に固執することより重要だ」と述べ、「ドイツ政府は中央集権的監督へ前進する準備ができている」と語った。6カ国は29日に共同声明を出す予定である。
専門家は、ドイツが態度を変えた背景には安全保障不安への懸念が横たわっていると評価した。ドイツは今年1月末、自ら主導してE6協議体を初めて立ち上げた。全加盟国が全会一致で合意しなければならないEUの規則に阻まれて幾度も頓挫してきた案件を、6つの域内経済大国で先行して進めようという趣旨だった。E6の6カ国が占めるEU資本市場の比率は約95%に達する。これらの国々は、域内の主要経済大国が一つの声を上げれば、先送りされてきた案件に推進力がつくと期待した。当時、ドナルド・トランプ米大統領は、EU加盟国であるデンマークの自治領グリーンランドを獲得すると主張していた時期だった。
ただし6大経済大国が共同声明を出しても、当初の期待どおり全加盟国が資本市場同盟に同意するかは不透明である。EUが最終合意に至るには、全人口の65%以上を代表する15カ国以上の賛成が必要だ。まずアイルランドとルクセンブルクのような強硬な懐疑論の国から説得しなければならない。全加盟国が共同立場を定めた後には、欧州委員会の提案をめぐり欧州議会と協議するプロセスも残る。ロイターは専門家の話として「ここまででも今から6カ月から1年さらにかかり得る」と伝えた。