日本がミサイルや艦艇を増やす物理的な再武装段階を越え、情報を収集・保全し同盟国とリアルタイムで共有する防諜国家へと体質を転換している。日本参議院は27日に本会議を開き、国家情報会議の創設法案を賛成多数で可決した。
この法律は日本の首相を議長とし、官房長官と外相・防衛相など主要閣僚9人が参加する会議体である国家情報会議を新設する内容を盛り込んでいる。会議の事務を扱う別組織である国家情報局も併せて設置する。これまで日本の情報網は内閣情報調査室と警察庁、外務省、防衛省、経済産業省などに分かれて動いてきた。府省庁ごとに個別に集めていた情報を一箇所に集約し、首相官邸が直接目を通す構想である。
この日、産経新聞など日本メディアによると、自民党と日本維新の会だけでなく、野党の国民民主党・公明党・参政党までが国家情報会議の新設案に超党派で賛成票を投じた。26日に参議院内閣委員会を通過してから一日である。高市早苗首相は早ければ7月中にも国家情報局を開く計画だ。日本は中国の台湾圧迫、北朝鮮のミサイル脅威、ロシアとの連携強化という複合危機に直面しており、後ろを振り返る余裕はないとの立場である。高市首相は国家情報局の新設を情報改革の第1段階と位置づけ、スパイ防止法と対外情報機関の創設を第2段階とした。高市内閣は来年の通常国会に合わせ、外国の諜報活動を阻むスパイ防止法、海外情報収集を専担する新機関を設ける法案まで順次提出し、防諜強化に一段と力を入れる方針である.
日本の防衛省が計上した今年度の防衛予算は8兆8093億円(約84兆ウォン)で、2022年の5兆2000億円から5年で約1.7倍に増えた。このうち指揮統制・情報関連機能に5年間累計1兆円(約9兆5500億ウォン)、サイバー関連分野にもさらに1兆円が新たに配分された。同時に自衛隊は2027年までにサイバー人員を2万人に増やす計画である。常時勤務する自衛官基準で約8%に当たる。情報戦を扱う統合作戦司令部も昨年3月に新設した。現代戦では最初の攻撃がミサイル発射に先立ち通信網と電力網を狙うハッキングから始まるとの認識を反映したものとみられる。
日本は昨年12月に改定したサイバー安全保障戦略で、自国の防諜能力を「西側主要国と同等かそれを上回る水準」に引き上げると明示した。政府機関と重要インフラに対する能動的サイバー防御制度も導入した。ハッキング被害後にシステムを復旧する事後対応から脱し、攻撃の兆候を事前に探知し、必要なら相手サーバーを先に攻撃して無力化する構想である。ロイターは専門家の話として、日本が平和憲法という枠内で防御に専念していた段階を越え、戦争前段階から能動的に動く情報安全保障国家へ移行しつつあると評価した。
日本は経済安全保障分野の主要資産も軍事機密水準に格上げして取り扱う方針である。半導体工程や電池素材、海底ケーブルと衛星技術の図面は、もはや単なる民間産業情報を越え国家安全保障級の資産として外部脅威から保護する。昨年、日本の警察庁と内閣サイバーセキュリティセンター(NISC)は、中国系ハッカー組織ミラーフェイス(MirrorFace)が2019年ごろから日本のシンクタンクと政府関係者・退職者、政治家、メディア、半導体・製造・通信・学界・航空宇宙分野を狙ったと発表した。警察庁はこれを「日本の安全保障と先端技術に関連する情報窃取を目的とし、中国の関与が疑われる組織的サイバー攻撃」とした。彼らは悪性添付ファイルのメール、ソフトウェア脆弱性の悪用、悪性リンク送信といった手口で日本の知識機関と企業研究所を揺さぶった。日本政府は国家情報局が発足すれば、府省庁別に散在していたサイバー脅威情報を一箇所に集め、ミラーフェイスのような組織的攻撃を早期に探知・遮断する機能が強化されると説明した。
米国・英国のような情報大国は、機密が漏れる国とは高度情報を共有しない。日本は2024年、重要経済安全保障情報の保護・活用法を制定し、セキュリティクリアランス制度を本格稼働させた。日本政府が指定した重要経済インフラ情報には、身元調査を通過した企業の役職員と公務員だけがアクセスできる。ロイターは、防諜部門を強化する日本政府の措置が「自国の保安体制を西側基準に合わせ、同盟国・民間企業との情報共有を拡大するための布石」だとした。
日本は26日に幕を閉じた今回のクアッド(Quad)外相会合でも、情報を共有できる多層的ネットワークを築くことに集中した。クアッドは北大西洋条約機構(NATO)のように集団防衛条項を備える軍事同盟ではない。だが海洋監視や通信網など戦争前段階の安全保障網を束ね、事実上中国をけん制する装置として機能する。日本は今回のクアッド会合で、米国・オーストラリア・インドと共に海洋安全保障、重要鉱物のサプライチェーン、エネルギー安全保障、ホルムズ海峡の航行、新興技術、中国の南シナ海軍事化への懸念まで扱った。
専門家は、情報ネットワークの側面で日本が「安保は米国」という単一軸から、インド・太平洋と欧州を包摂する多層構造へ進化していると評価した。日本は2025年9月にフィリピンと相互アクセス協定(RAA)を発効し、南シナ海と台湾南方の海上ルート情報を確保した。NATOともサイバー防御、偽情報対処、人工知能(AI)など先端技術の協力接点を広げた。自衛隊はエストニア・タリンにあるNATO協力サイバー防衛センターでサイバー防御訓練に参加した。
一部では急速な防諜国家化への反発も出た。国家情報会議の創設法案の審議過程では、個人情報の侵害と政治的利用の可能性が最大の争点として浮上した。自由法曹団をはじめとする日本の市民社会は「首相1人に情報と権限が集中すれば、国家安全保障を名分として市民を監視する体制に転落する危険が大きい」として反対声明を出した。日本参議院内閣委員会は26日に法案を可決しつつ付帯決議を併せて採択し、「個人情報・プライバシーが不必要に侵害されないよう十分に配慮し、国会に活動内容を適切に説明するようにする」と政府に促した。付帯決議は法的拘束力のない政治的意思表示である。法案に賛成した公明党は、中道改革連合・立憲民主党とともに「プライバシー保護と政治的中立性確保の条項を決議に反映させた」とした。