ドイツがカナダ産液化天然ガス(LNG)確保に動く。欧州連合がロシア産ガスへの依存度を下げようと努めるなか、ドイツも供給網の多角化とエネルギー安全保障の強化を急いでいるとみられる。
ブルームバーグは27日(現地時間)、複数の関係者の話として、ドイツ国営エネルギー企業SEFEがカナダ・ブリティッシュコロンビア州西海岸で進められている「クシ・リシムス(Ksi Lisims)」LNGプロジェクトを通じて天然ガスを供給される契約を締結する予定だと報じた。
SEFEは元来ロシア国営ガス企業ガスプロムのドイツ子会社だったが、ウクライナ戦争後にドイツ政府が国有化した。
ブルームバーグによれば、今回の契約の具体的内容は、ティム・ホジソンカナダエネルギー・天然資源相が28日に公式発表する見通しである。
クシ・リシムスプロジェクトは総額100億カナダドル(10兆8579億ウォン)規模の浮体式LNG輸出施設である。すでに規制当局の承認を得ており、米国のプライベートエクイティであるブラックストーンが支援するウエスタンLNGとロッキースLNGパートナーズ、カナダ先住民共同体のニスガア・ネーションなどが事業に参画している。開発用地の所有権はニスガア・ネーションが保有している。
現在、クシ・リシムスの事業者は年間1200万トン規模のLNG生産施設の建設を進めている。これは昨年稼働を開始したシェル主導の「LNGカナダ」第1段階事業と同水準である。ただし、最終投資決定(FID)はまだ下されておらず、ドイツとカナダの政府、プロジェクト関係者は今回の契約に関する公式な論評を出していない。
ホジソン相は最近のブルームバーグのインタビューで、欧州各国がロシアおよび中東地域発の供給不安を受け、安定的な代替ガスの供給元を積極的に探していると説明した。
また、欧州が米国産LNGに過度に依存する状況にも警戒していると明らかにした。欧州がトランプ政権との対立可能性などを念頭に、供給線を多角化してエネルギー安全保障を確保するとの見方である。
ホジソン相は「カナダはエネルギーを政治的圧力の手段として用いない信頼できる供給国になり得る」とし、「欧州の代替供給元の役割を果たせる」と強調した。
続けて、長期的にはカナダ東部海岸や北部のハドソン湾を通じた輸出も可能だが、当面は西海岸からのLNG供給拡大が欧州にとって最も現実的な選択肢だと説明した。
欧州までの輸送方式としては、パナマ運河の利用、南米経由の迂回航路、LNGの数量交換(スワップ)など多様な方策が検討されていると伝えられた。
ホジソン相は「世界の強大国が貿易を地政学的圧力の手段として活用する状況で、カナダと欧州が一層緊密なエネルギー協力関係を構築するのは自然な流れだ」と述べ、「欧州は価値観を共有する安定的な供給元を求めているが、選択肢は多くない」と語った。