ドナルド・トランプ米国政権のグリーンランド併合構想と欧州への圧力が欧州連合(EU)の結束を強めている。これまでEUと距離を置いてきた北欧の国アイスランドまでがEU加盟を推進し、EUはアイスランドへの特例提供策まで検討に乗り出した。

アイスランド国旗/ロイター=聯合

26日(現地時間)のニューヨーク・タイムズ(NYT)によると、アイスランドは8月にEU加盟交渉の開始可否を問う国民投票を実施する予定である。実際の加盟までには数年を要する可能性があるが、加盟論議が再び本格化したという事実自体が実質的な変化を示すとNYTは評価した。

アイスランドがEU加盟論議に速度を上げることになった背景には、北極圏の隣国であるグリーンランドを巡る安全保障不安がある。トランプ大統領がグリーンランド併合の意思を繰り返し示し、1月には駐アイスランド米国大使指名者が「アイスランドが米国の52番目の州になり得る」と冗談を言った事実まで伝わり、アイスランド社会は大きく揺れた。

クリストルン・フロスタドッティル・アイスランド首相は2月、首都レイキャビクの執務室で「グリーンランド事態は明らかにアイスランド国民の心を揺さぶった」と語った。アイスランドのEU加盟に向けた国民投票は当初2027年ごろに実施されるとみられていたが、トランプ政権の発言が時期を前倒しした格好だ。

アイスランドは北大西洋条約機構(NATO・ナトー)加盟国の中で唯一、常備軍のない国家であり、これまで米国の安全保障の傘に大きく依存してきた。しかしトランプ政権の発足以降、米国への信頼が弱まっているとの評価が出ている。

NYTは「北欧諸国は伝統的にEU中核国と文化的距離を保ってきたが、その中でもアイスランドは最も独特なアイデンティティーを持つ国家だった」とし、「アイスランドは欧州の一部でありながら欧州と区別される点を誇りとしてきたが、今や一部の国民はより大きな同盟に加わる時が来たのか悩み始めた」と伝えた。

アイスランドは2008年の金融危機の余波で国内大手銀行3行が相次いで破綻し経済危機が深まると、2009年にEU加盟を申請した。しかしその後、経済が急速に回復した一方で、ギリシャなど南欧諸国の財政危機でユーロ圏不安が高まったため、2013年に加盟交渉を中断した。2015年にはEUに対し、もはや加盟候補国として見なさないよう要請した。

アイスランドのEU加盟が現実化する場合、経済的効果も期待できる。アイスランド通貨のクローナは長らく変動性の大きい通貨と評価されてきた一方、ユーロは相対的に安定的だからである。さらに、物価上昇要因として指摘されてきたEU産輸入品の関税が消える場合、消費者物価の安定にも資すると見込まれる。

EUの立場でもアイスランドの加盟は歓迎すべきことだ。アイスランドは北大西洋のほぼ中央に位置する北極進出の玄関口であり、加盟国となれば、列強間の競争が激化する北極圏でEUの戦略的地歩を強化することに寄与し得る。

EUはアイスランドの加盟を誘導するため、核心争点である漁業政策で一部の例外を認める案を検討中とされる。漁業権問題は過去のアイスランドEU加盟交渉の過程で最大の障害の一つだった。

コスタス・カディスEU海洋水産担当委員は先月、英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)とのインタビューで、アイスランドへの例外適用の可能性に関し「明らかに柔軟性を発揮する余地がある」と述べた。カディス委員は「共有魚種資源の配分方式のような難題についても解決策を見いだせる」とし、「足元の地政学的環境の変化を踏まえると、アイスランドとEUは次第に近づいている」と説明した。

国民投票が実施される場合、賛否双方が拮抗して対立するとの見方が強い。アイスランドのビフロスト大学のエイリクル・ベルグマン政治学教授は「アイスランド人は間もなくいずれか一方を選ばざるを得ない状況に置かれ得ると感じている」とし、「しかし現実的に選択できるのは一方(欧州)しかない」と語った。

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