米国とイランの終戦交渉が大詰め段階に入り、ホルムズ海峡の再開に対する期待が高まっているが、実際の通航正常化と国際原油価格の安定までには最大で数カ月かかるとの見方が出ている。

25日(現地時間)、オマーンのムサンダムで撮影されたホルムズ海峡の停泊船=ロイター/聯合

25日(現地時間)、ニューヨーク・タイムズ(NYT)は「水路再開合意がまとまれば、ほぼ3カ月にわたり足止めされてきた船舶の滞留問題を解消する複雑なプロセスが続く」とし、「最終合意が成立しても、戦争以前のように1日130隻以上の船舶が海峡を通過していた水準に回復するまでには数週間、長ければ数カ月かかる可能性がある」と報じた。

ホルムズ海峡は世界の石油・天然ガス供給量の約20%が通過する中核的な輸送路で、イラン戦争勃発以降、事実上閉鎖された状態だ。最近、米国とイランがホルムズ海峡を再開し、30日以内に通行量を戦争以前の水準に回復する内容の合意文署名を推進し、原油輸送が正常化するとの期待が高まっている。

しかし、海峡が近く公式に再開されても、実際の正常化までには多くの変数が残る。現在、ホルムズ海峡を抜けられずペルシャ湾に足止めされている船舶は約1500隻に達しており、これらの船舶が幅38kmにすぎない海峡を通過するには安全が確保されなければならないというのが業界関係者の見方だ。

実際、海運データ企業ケイプラー(Kpler)は、再開初期の3〜4週間は交通量が正常水準の40〜50%にとどまると見込んだ。紅海とスエズ運河一帯で続いたイエメン・フーシ派によるドローン・ミサイル攻撃など、海運各社の復帰をためらわせる要因が依然として残っているためだ。

自動車輸送・物流企業ワレニウス・ウィルヘルムセンのラッセ・クリストフェルセン最高経営責任者(CEO)は「状況が完全に安定するまで少なくとも30〜45日かかる」とし、「攻撃が再発しうるという恐れそのものが取引を麻痺させる要因だ」と指摘した。

安全面に加え、通行再開のための行政手続きも少なからぬ障害とされる。NYTによると、海運会社はどの油槽船が先に運航を始められるのか、誰に通行許可を要請すべきかといった情報を確認しなければならない。また、航路案内を受ける必要があり、海峡に敷設された機雷の脅威も解消されてこそ正常な航海が可能だという立場だ。

国際海運団体バルチック国際海事協議会(BIMCO)の最高安全保障責任者ヤコブ・ラーセンは、最も狭い区間が21海里(約38km)にすぎない海峡を船舶が通過する前に、まず通航基準がどのように定められるかを確認しなければならないとし、「どのルートを利用すべきか、またどの当局と協議しどの許可を受けるべきかを把握する必要がある」と述べた。

船舶が最も懸念する要素はイランが設置した機雷だ。英国軍関係者は、イランが敷設した機雷の中には海底にあり気泡を発生させて船体に深刻な損傷を与える種類もあると明らかにした。国際エネルギー機関(IEA)は今月の報告書で、米国・英国・フランス・ドイツなど複数国の海軍が機雷除去艦を配備するのに数週を要すると見通した。

長期間の運航停止により、船舶そのものの状態も変数として浮上している。船舶が長くペルシャ湾の暖かい海水にとどまり、フジツボや海藻類など各種海洋生物が船体に付着した状態だからだ。

世界5位のコンテナ海運会社ハパックロイドのロルフ・ハーベン・ヤンセン最高経営責任者(CEO)は、最近の会社ポッドキャストで、封鎖期間中にわずか1隻だけが出航できたが、この船も運航再開のため大掛かりな清掃作業を経なければならなかったと語った。ヤンセンは「船体に付着した海洋生物を除去した後でも、船の最大速度が平時よりはるかに遅くなったことを確認した」と述べた。

一部では海峡再開協議の妥結見通しに懐疑的な見方もある。海洋情報企業ウィンドワードのアミ・ダニエル最高経営責任者(CEO)は「実際にいつ署名が完了するかは見守る必要がある」とし、米国とイラン当局の間に依然として見解の相違が存在すると指摘した。ダニエルは、トランプ大統領が海峡開放を宣言しても企業は慎重な姿勢を維持する可能性が高いとし、過去にも類似の事例が2度あったと述べた。

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