米国ニューヨーク、英国ロンドン、フランス・パリ、日本・東京。世界の都市ブランドの頂点に立つ名前である。だが「毎日暮らしやすい場所」を問う順位ではこれらは相次いで外れた。その座を人口10万人前後の郊外小都市、人口1万人台の田舎のマーケットタウン、海岸のリゾート都市が埋めた。米国の時事週刊誌USニュース・アンド・ワールド・リポートが20日(現地時間)に発表した2026〜2027年「米国で最も住みやすい都市」ランキングで1位はインディアナポリス外縁の人口約10万人規模の郊外都市カーメル(Carmel)だった。2位は1位に隣接するすぐ隣の郊外都市フィッシャーズ(Fishers)だった。同じ報告書によれば、ニューヨーク・サンフランシスコ・シカゴのような超大型の有名都市は米国内トップ10に一つも入れなかった。
カーメル・フィッシャーズに続き、テキサス州フラワーマウンド(約8万人)、リアンダー(約9万1000人)、フリスコ(約23万7000人)、シュガーランド(約10万8000人)など大都市圏に属する郊外都市が上位を占めた。この評価は米国全土の850都市のうち250カ所を抽出し、住宅費負担、雇用市場、犯罪率、通勤時間などを測定したうえで、労働統計局・センサス局・連邦捜査局(FBI)の資料と数千人対象のアンケートを組み合わせて算出した。USニュース・アンド・ワールド・リポートは「今年の評価では生活費負担が増し、『感当可能な費用(affordability)』の比重が例年になく大きかった」と結果を説明した。2021年はコロラド州ボルダー、2022年はアラバマ州ハンツビル、2023年はウィスコンシン州グリーンベイのような中規模テック都市が1位を占めた。だが2024年から高所得引退者の居住地であるフロリダ州ネープルズ(Naples)が首位を占めた後、3年連続で大都市外縁の小都市強勢の現象が定着した。
米国統計局の人口移動データでも同じ流れが見られた。統計局は「2024〜2025年の間に物価が急騰し、大都市の成長が大きく鈍化し、一部の大型ハブ都市では人口の小幅減少まで現れた」と述べた。これに対し中規模都市は国内外からの移住と新規住宅供給がかみ合い、大都市と小都市の間のいわゆる「ゴルディロックス(熱すぎず冷たすぎない適度な状態)区間」を見つけたと評価した。市民が大都市圏経済を離れるというより、同じ生活圏の中で負担可能な外縁へ居住地を再配置しているとの意味に解される。職場は都心に置きつつ、住宅価格・学区・治安は郊外で解決するモデルである。
似た流れは欧州でも現れた。英国最大の不動産ポータル、ライトムーブが集計した「2025年ハッピー・アット・ホーム・インデックス」1位はロンドンでもマンチェスターでもなく、ノースヨークシャーのマーケットタウン、スキプトンだった。この都市の人口は約1万5000人規模である。スキプトンで取引される平均不動産物件の売出価格は32万6093ポンド(約6億5700万ウォン)で、英国全国平均の36万4833ポンド(約7億3500万ウォン)より12%低かった。ライトムーブは「住居満足度は家そのものだけで決まらず、コミュニティと自然環境、必須施設へのアクセスに大きく左右される」と説明した。英国の日刊紙サンデー・タイムズが72地域を学校・交通・ハイストリートの活力などで評価した「2026ベスト・プレイス」全国1位も、イングランド東部の中規模都市ノリッジ(約14万人)が占めた。人口が集中するロンドンの中では、リッチモンド・アポン・テムズ(約19万5000人)区とカムデン(約21万人)が順位に入った。専門家は大都市全体が敬遠されているのではなく、大都市の中でも緑地・文化へのアクセスが良い街区に需要が集中する二極化の様相が鮮明だと述べた。
フランスでもパリ・リヨン・マルセイユのような象徴的な大都市は住みやすい都市の最上位圏から姿を消した。フランスの民間協会が評価した「2026年住みやすい都市・町」ランキングで都市部門1位はバスク海岸のリゾート都市ビアリッツ(約2万6000人)だった。2位アンシー(約13万人)、3位アンジェ(約15万8000人)、4位バイヨンヌ(約5万3000人)、5位ロデズ(約2万4000人)が続いた。海岸とアルプスの湖、温暖な気候という自然条件に、保健・治安・商業サービスが歯車のように噛み合った都市が、圧倒的な首都ブランドより高い評価を得た。このランキングはフランス本土の3万4727のコミューン(町村単位)を、生活の質・安全・保健・交通・教育・環境など11カテゴリー197基準に分けて評価する。
日本は様相がさらに複雑だ。日本経済専門誌の東洋経済が安心度・便利度・快適度・富裕度の4分野20の公的指標で評価した「2025住みよい街ランキング」1位は、北陸新幹線延伸でアクセスが改善した製造業拠点の福井市(約20万人)だった。不動産企業ダイトウケンタクが実際の居住者満足度を累積調査したランキングでは、北海道東川町(約8000人)が1位を占めた。この都市は清浄な地下水に基づく生活インフラと景観条例、都市戦略などが高く評価された。
世界的な流れに真正面から反する例外もあった。ドイツは高賃金の職と産業基盤が高い住宅費を相殺した。ドイツ経済研究所(IW)と不動産ポータル、イモスカウト24が人口10万人以上の71の大都市を分析した2025年ランキングで、1位は世界的に著名な産業大都市ミュンヘン(約150万人)、2位はシュトゥットガルト(約63万人)、3位は自動車メーカーのアウディ本社があるインゴルシュタット(約14万人)だった。調査を実施したポータル、イモスカウト24は「ミュンヘンは労働・不動産市場で最も強いが、高い賃料と住宅価格のために人口移動の側面で負担感が同時に表れる」とし、「ミュンヘンとフライブルクの二都市だけが、現状水準・成長動力・インフラの三指標すべてで上位15位に入った」と分析した。住みやすい都市の基準が単に安価な住宅費に変わったのではなく、費用を賄える職とインフラが支える必要があるとの反証だと専門家は解釈した。