日本でミサイル攻撃などに備えた地下避難施設の不足問題が安保課題として浮上している。とりわけ中国との関係が悪化するなか、現地では実質的な防護能力を備えた地下施設の拡充に速度を上げるべきだとの指摘が出ている。
22日(現地時間)ニッケイアジアによると、日本政府は2030年までに全国すべての地方自治体で住民100%を収容できる避難体制を構築する目標を掲げている。しかし防護水準が高い地下避難施設の収容規模は、全国人口の5%水準にとどまることがわかった。日本政府は現在、体育館や公共施設なども避難所として分類しているが、相当数の施設はミサイル攻撃の状況まで考慮して設計されていないことが明らかになった。
地下避難施設の拡充が鈍い最大の理由は莫大な費用負担にある。日本核シェルター協会によると、約7人を収容できる小規模地下避難施設の建設費だけで最大1億円(9億5275万ウォン)に達する。同協会が2023年に建設したモデル施設は約6000万円(5億7165万ウォン)がかかったが、その後の資材価格上昇で費用が増えた。
大型施設の場合は数十億円以上の予算が必要だ。東京都は都営地下鉄麻布十番駅の非常物資保管施設を約1400㎡規模の地下避難施設に改造するため、42億円の予算を割り当てた。
しかし全国規模の地下避難施設整備に対する別途の支援制度はなく、大半の地方自治体が自ら費用を負担せざるを得ない状況だ。ニッケイアジアは、地方政府が財政負担と用地不足の問題で施設拡充に苦慮していると伝えた。
避難施設に指定された熊本市のある公共施設の関係者はニッケイアジアに「地震や台風の状況はともかく、ミサイル攻撃までは想定していなかった」と語った。この施設近隣には3月に長距離ミサイルが配備された陸上自衛隊の基地がある。ニッケイアジアは、中国沿岸を攻撃可能な長距離ミサイルが配備された以上、有事の際に攻撃目標となる可能性が提起されると伝えた。
自衛隊基地の周辺地域でも状況は大きく変わらない。静岡県小山町の陸上自衛隊基地にも3月に長距離ミサイルが配備されたが、県内の地下避難施設の大半は都市部に集中している。小山町には実質的に地下施設が1カ所しかなく、追加の用地確保も容易ではない状況だ。現地関係者は「地下避難施設を大幅に増やすのは物理的に難しい」と明らかにした。
原発周辺地域でも避難インフラ不足への懸念が出ている。東京電力柏崎刈羽原発がある新潟県柏崎市は地下歩行通路15カ所を避難施設に指定したが、住民は実際の攻撃状況で施設が十分な防護機能を果たせるか不安を抱いている。4月中旬に商業運転を再開したこの原発のテロ対策施設も、いまだ完成していない状態だ。
日本で唯一、県庁所在地に位置する原発である島根県松江原発の周辺にも公共の地下避難施設は3カ所しかない。県原子力安全対策室は「民間の地下施設は把握していない」と明らかにした。茨城県東海村も半径30km圏内の人口が90万人を超えるが、県内の地下避難施設は13カ所にとどまることがわかった。
上杉勇次早稲田大学教授はニッケイアジアに「攻撃目標となる可能性がある施設の周辺から避難施設の建設を優先すべきだ」とし、「地域単位の安全対策を強化するため、優先順位を明確にする必要がある」と述べた。