米国の代表的な超低価格航空会社(ULCC)であるスピリット航空(Spirit Airlines)が今月初めに運航を停止し、現地の一部地域空港が直撃弾を受けた。競合の航空各社はスピリット航空が残した路線と離着陸権の確保を急いでいる。
米国のウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)によると、スピリット航空は2日(現地時間)に恒久的な運航停止に入った。業界では原油高と大手航空会社の価格競争の激化をスピリット航空崩壊の主因に挙げる。
米国内の一部空港はスピリット航空の破綻で打撃を受けている。最大の衝撃を受けた場所の一つがニュージャージー州のアトランティックシティ国際空港である。スピリット航空はアトランティックシティ国際空港の全旅客の約75%を占めてきた。スピリットの運航停止で空港が事実上「ゴースト空港」に転落しかねないとの懸念も出ている。
競合各社は迅速に路線確保に動いた。格安航空会社にとってはスピリット航空が残した路線を吸収すれば事業拡大につながるためだ。格安航空会社ブリーズ航空(Breeze Airways)はスピリット航空の運航終了直後、アトランティックシティ路線の大半を引き継ぐことにした。ブリーズ航空は当初から今月より同空港への就航を準備していたため、現場の運営体制もすでに構築済みだった。
他の格安航空会社も空白の攻略に乗り出した。フロンティア航空はフロリダ州オーランドで9件の新規路線を追加した。ジェットブルーはフォートローダーデールで10件を超える路線を拡大した。アレジアント航空もまた地方空港中心の路線拡大を検討中である。
業界はまた、スピリット航空が保有していた大規模空港のスロット(slot・離着陸権)に注目している。ニューヨークのラガーディア空港のスロット価値は約8,700万ドル(約1,200億ウォン)水準と評価される。スロットは米国の主要空港で運航便数を左右する中核資産とされる。
スピリットはラガーディア空港内の「ターミナルA(マリン・エア・ターミナル)」を使用していた唯一の大規模航空会社だった。スピリット破綻直後、同ターミナルは運航取り消しの乗客を案内する職員だけが残り大半が空いていたとWSJは伝えた。
ただしWSJは、競合の航空各社も無理な拡大には踏み切らない雰囲気だと伝えた。格安航空業界全般が中東情勢の不安に伴う燃料費上昇と収益性悪化の圧力を受けているためである。
一部の格安航空会社は最近、米国政府と議会に航空券の税減免と25億ドル(3兆7,600億ウォン)規模の支援策を要請したとされる。しかしドナルド・トランプ米国大統領は最近のCBSニュースのインタビューで「航空会社はうまく運営されている」と述べ、「救済金融の提案は事実上、公式には提起されていない」と語った。