軍事的な緊張感が高まったホルムズ海峡を、韓国の海運会社が運航する超大型原油運搬船(VLCC)が無事通過した事実が遅れて確認された。これらの船舶は今月初め、船舶位置追跡装置を完全に切り、イランが展開した海上封鎖網を突破したとされる。
12日ロイターと海運メディアのマリンインサイトなどの海外報道によると、韓国の海運会社である長錦商船(英語名シノコ)が管理する「バスラエナジー」をはじめとする油槽船3隻は6日、合計600万バレルに達する湾岸産原油を積み、ホルムズ海峡を抜けた。海運データ分析会社ケイプラーとロンドン証券取引所グループ(LSEG)の資料によれば、これらの船舶はイラン側の拿捕や攻撃を避けるため、船舶自動識別装置(AIS)を完全に切った、いわゆる「真っ暗」状態で運航した。
アラブ首長国連邦(UAE)ジルク原油ターミナルで200万バレルを積んだバスラエナジーは1日に出航し、6日に海峡を通過した。その後8日に海峡外のUAEフジャイラターミナルに到着して貨物を降ろした。グローバルなエネルギー要衝である海峡の通行が遮断され孤立していた原油を、迂回路なしで正面から搬出した。
海運業界は、長錦商船が1月末から1カ月間、ペルシャ湾に空の油槽船少なくとも6隻を先行投入して待機させ、物流難に直面する湾岸産油国の物量を運び相当な利ざやを得たとみる。VLCCは単一航海で約200万バレルを輸送する世界最大規模の油槽船である。
長錦商船の船舶以外にも、別の油槽船2隻が10日に海峡を無事に抜けた。いずれもイラク産原油200万バレルを積載した「アギオスパヌリオスI」と「キアラM」だ。先にアギオスパヌリオスIは先月17日に船積みを終えた後、少なくとも2度にわたり進入を試み失敗したが、今回は通行に成功した。この船は26日にベトナム・ギーソン製油施設に到着する予定である。目的地が不明確なキアラMはサンマリノ籍と推定され、現在は中国・上海の法人が管理していると把握された。
このように位置追跡器を切り航路を隠したまま運航する船舶が海峡を通過したことで、完全に封鎖されたとされていたホルムズ海峡内の実際の物流量が指標より活発だとの分析も出た。位置追跡器を切る運航方式は、公式の航路モニタリングを困難にする要因として作用する。米調査会社シトリニ・リサーチ所属の現地派遣アナリストは「船舶は依然として海峡を通過しており、1日に4〜5隻の油槽船がAISに全く記録されないまま通り抜けている」と述べ、「実際の物流量はデータが示すよりはるかに多い可能性がある」と語った。