中国の生産者物価指数(PPI)が4月に市場予想を大きく上回る上昇率を記録し、反発基調を続けた。消費者物価指数(CPI)も緩やかな上昇基調を維持した。ただし今回の物価指数の改善は、需要回復というよりもイラン戦争発のエネルギー・原材料費上昇に端を発した短期的なインフレ(物価上昇)の性格が強い点で、景気回復のシグナルと解釈するには時期尚早だとの評価が出ている。
中国国家統計局は11日、4月のPPIが前年同期比2.8%上昇したと発表した。これはブルームバーグの市場予想(1.8%)を大きく上回る水準で、3月の上昇率(0.5%)と比べても上昇幅が大きく拡大した。中国のPPIは3月に41カ月ぶりにプラスへ転じたのに続き、今月は上昇幅まで拡大し、反発の流れを示した。
同期間のCPIは前年同期比1.2%上昇し、市場予想(0.9%)と前月値(1.0%)の双方を上回った。変動の大きい食品とエネルギーを除いたコアCPIも1.2%上昇し、前月(1.1%)と比べ上昇幅を小幅に広げた。
市場では、中東情勢不安に伴う国際原油価格の上昇と原材料価格の反発が生産者物価を押し上げたと見ている。最近、中国政府が鉄鋼、電池、自動車など一部産業の過剰競争を抑制する「反内巻(過度な内部競争の是正)」政策基調を強化した点も、価格上昇圧力を高めた要因として挙げられる。
ドン・リジュアン国家統計局首席統計士は「国際原油価格の上昇が国内の石油関連産業の価格上昇を牽引したことが主要因だ」とし、「光ファイバー、記憶装置、非鉄金属、石炭など分野の産業で国内需要が増加したことも生産者物価の上昇に寄与し、国内市場の競争秩序が持続的に改善されたことも一助となった」と説明した。
CPIも原油高の影響が大きかった。ドン首席統計士は「主にエネルギーおよび旅行サービスの価格上昇に起因した」と述べ、「一部地域では清明節、労働節、春節の連休で旅行サービスの需要が大きく増加したことも主要因だ」とした。
一方で消費の回復は依然として限定的だと分析される。CPIの上昇基調は続いているものの、サービス消費の鈍化と不動産市況の不振、豚肉価格の軟調など、内需全般の回復の強さはまだ大きくないためだ。実際に、実質的な物価指標とみなされる豚肉価格は同月に前年同月比5.7%下落した。
海外メディアは、表面的には中国経済が長期のデフレーション局面から脱しつつあるように見えるが、実際には短期的な価格上昇が物価を押し上げる構造であり、景気回復のシグナルとして解釈するには限界があると指摘した。特に生産者物価の上昇幅が消費者物価を大きく上回るなか、企業のコスト負担が急速に増しており、今後中国製造業の収益性悪化や内需の萎縮につながる可能性も指摘される。
ブルームバーグ通信は「内需不振と労働市場の悪化の兆しのなかで、企業は高まったコストを消費者に転嫁できず、収益性への圧力はむしろ強まっている」とし、「それを示すように、仕入価格指数は前年同月比3.5%上昇した。これは販売価格との格差が2024年8月以降で最も大きく広がったことを意味する」と述べた。