イラン戦争をめぐる対立とホワイトハウス銃撃事件という二重の逆風の中で、英王室が米国を訪問した。
27日(現地時間)、チャールズ3世英国国王はカミラ王妃と共に4日間の日程で米国を国賓訪問した。英メディアのガーディアンは、ドナルド・トランプ米大統領の招請によって実現した今回の訪問について「公式には米国独立250周年を記念する行事」だとしつつも、実際には冷え込んだ両国関係を緩和できるかに注目した。
この日の最初の日程として、トランプ大統領とメラニア夫人がホワイトハウスで国王夫妻を迎えた。双方はティータイムを持ち、ホワイトハウスのサウスローンに新設された蜂箱(beehive)を共に見学するなど、比較的穏やかな日程を消化した。核心日程は2日目からだ。公式歓迎式典と首脳会談、米議会演説、国賓晩餐会が予定された。
しかし海外メディアは、米国の現地ムードが緊張した状態だと分析した。最近、ホワイトハウス記者団晩餐会で発生した銃撃事件で大統領が緊急退避する事態が起き、米国内の政治的不安定さと警備への懸念が同時に浮上した。米当局は国王訪問を前に警護体制を全面的に再点検したと伝えられた。
両国の外交的な亀裂も鮮明だ。トランプ大統領がイラン戦争の過程で英国に軍事支援を要請したが、キア・スターマー首相が事実上拒否し、両国関係は急速に冷え込んだ。トランプ大統領は「同盟国の助けは必要ないが確認したかった。一種のテストだった」と述べ、英国を公然と批判したことがある。
また、米国が英領フォークランド諸島に対する従来の立場を再検討する可能性まで取り沙汰され、両国の信頼が揺らぐ状況だ。過去にトランプ大統領はこの問題で英国を支持したことがあるが、最近の空気は変わり得るとの見方が出ている。英国とアルゼンチンはフォークランド諸島をめぐって領有権紛争を繰り広げている。加えて、国王の弟であるアンドルー元王子のエプスタイン(米国の億万長者で性犯罪者)スキャンダルも再び浮上し、王室のイメージにも負担が重なった。
ただしトランプ大統領はチャールズ3世個人に対しては「長年の友人」だとして友好的な態度を維持している。ガーディアンは、政治的対立とは別に、国王という象徴的存在が両国関係を緩衝できると期待した。
チャールズ3世の今回の訪問が、およそ70年前の両国交流と文脈が似ているとの評価も出ている。1957年、エリザベス2世女王がスエズ危機で悪化した米英関係の中で米国を訪れ、「ソフトパワー外交」を展開した事例が改めて取り上げられている。当時、女王は親しみやすいイメージと文化的メッセージを通じ、米国内の反英感情を和らげたとの評価を受ける。
チャールズ3世もまた、国賓晩餐会と議会演説で文化と文明の価値を強調するメッセージを打ち出す見通しだ。特定の国家を直接狙うよりも、普遍的価値を前面に出す形だ。ガーディアンはこれを、英王室の象徴性とソフトパワーを活用した伝統的な外交アプローチだと評価した。
ニューヨーク・タイムズ(NYT)は、英政府の内外で今回の訪問が両国の共通基盤を喚起する契機になり得るとの期待が出ているとみた。同時に、トランプ大統領が会談でイラン、NATO、デジタル税などの敏感な懸案に直接言及する可能性を指摘し、伝統的な外交慣例を外れた発言が出る恐れがある点を、今回の訪問の主要リスクに挙げた。