ケビン・ウォッシュ米連邦準備制度(Fed・FRB)議長候補者は、ドナルド・トランプ米大統領の利下げ圧力にそのまま従う意思はないと21日(現地時間)明らかにした。
ウォッシュ候補者はこの日、上院銀行委員会の指名承認公聴会で、承認を受ければトランプ大統領の「人間の操り人形」になるのかとの質問に「絶対に違う。自分がFRB議長として承認されれば(操り人形ではなく)独立した行動を取る」とし、「(大統領に)『ポストをくれれば利下げする』といった類いの発言はしていない」と述べた。
ウォッシュ候補者は「大統領は利下げを好む傾向がある。違いがあるとすれば、トランプ大統領はそれを代理人や婉曲表現なしに非常に公然と表現する点だ」とし、「しかしFRBの独立性はFRBにかかっている。FRB指導部は何が正しいかを自ら決定すべきだ」と強調した。
続けて「選挙で選ばれた公職者が金利に関する自らの見解を明らかにしたからといって、金融政策の独立性が脅かされるとは信じない」と説明した。自分を次期FRB議長に指名した「選挙で選ばれた公職者」であるトランプ大統領が利下げを圧迫しても、FRBの独立した判断に基づき金融政策を決定するという意味と解される。
ただし、ウォッシュ候補者は現在FRBが金融政策を決定する際の主要指標としている物価に対する分析システムに問題があると指摘した。ウォッシュ候補者は「われわれはいまだに2021年と2022年の政策エラーの余波を経験している」とし、「インフレが(当時より)問題になりにくくなっているのは事実であり、これは物価上昇率が数年前より深刻さを増していないことを意味する」と述べた。
さらに「われわれは食品とエネルギーを除いたコア個人消費支出(PCE)物価指標を使用してきた。これは(物価)状況がどうかをおおまかに推定するためのものだった」とし、「もはやそのようなおおまかな推定をする必要はない。自分が最も関心を持つのは『基底インフレ率』だ」と語った。
ジェローム・パウエル現FRB議長の任期は来月までだが、ウォッシュ候補者は上院の承認採決を通過して就任する必要がある。しかし米司法省がFRB本部庁舎の改修費用過大支出問題に関連してパウエル議長を狙った捜査を拡大すると、上院銀行委所属のトム・ティリス(共和・ノースカロライナ)上院議員は、パウエル議長に対する捜査問題が解決されるまでウォッシュ候補者の承認に反対するという立場を示している。
ティリス上院議員はこの日の公聴会でもウォッシュ候補者に向けて「(司法省の)この調査が取り除かれねば、あなたの承認を支持できない」と述べた。全24人で構成される上院銀行委は現在、共和党13人、民主党11人の構図だ。民主党議員全員と共和党議員1人以上が反対すれば、承認案は常任委の関門を越えられない。
一方、トランプ大統領はこの日もウォッシュ候補者に公開で利下げを圧迫した。トランプ大統領はこの日午前のCNBCインタビューで、ウォッシュ候補者が任命直後に政策金利を引き下げなければ失望するのかとの質問を受けると「その通りだ」と答えた。