イラン戦争でグローバル供給網が揺らぎ、コンドーム価格が最大30%上昇する可能性があるとの見方が出た。
世界最大のコンドームメーカーであるカレックス(Karex)のゴ・ミア・キアット最高経営責任者(CEO)は22日(現地時間)、ロイターのインタビューで、戦争に伴う供給網の混乱が続けばコンドーム価格を少なくとも20〜30%引き上げる可能性があると明らかにした。
カレックスはマレーシアに本社を置くグローバルなコンドームメーカーで、年間50億個以上のコンドームを生産し、130カ国以上に輸出している。ONE、トラステックス、ケアレックス、パサンテなどのブランドがカレックス傘下にある。
ゴ・ミア・キアットCEOは2月末以降、ホルムズ海峡の封鎖などの影響でコンドーム生産に必要な一部原材料の調達が難しくなったと説明した。コンドームには主原料の天然ゴム(ラテックス)に加え、シリコーンオイル、アンモニアなど石油化学系原料が使われる。戦争の余波で中東産原材料の供給に支障が生じ、価格上昇につながっているということだ。
ゴ・ミア・キアットCEOは「2月末にイラン戦争が始まって以降、コンドーム製造に使う合成ゴムからニトリル、包装材、アルミホイル、シリコーンオイルといった潤滑剤まで、あらゆる品目のコストが増加した」と明らかにした。続けて「状況は極めて不安定で価格はすでに上がっている」とし、「現時点ではコストを消費者に転嫁せざるを得ない」と述べた。
プラスチック包装材に使う原料価格も上昇した。専門家によると、今回の戦争はプラスチックなどの生産に必要な石油副産物である「フィードストック」の供給にも打撃を与えている。
KPMGのグローバル石油・ガス部門を統括するアンジー・ギルデアは「原油だけでなくフィードストックと石油化学製品も供給不足の状況だ」と明らかにした。ギルデアは、アジアのナフサのおよそ41%が中東から供給されており、原材料へのアクセスが難しくなれば生産国は値上げに動かざるを得ないと説明した。
海外援助予算の減少で公共調達量が縮み、グローバルのコンドーム在庫が減ったことも価格上昇の要因である。ゴ・ミア・キアットCEOは「昨年、米国国際開発庁をはじめとする海外援助予算が大幅に減少し、世界のコンドーム在庫量も大きく減った状況だ」と説明した。
またゴ・ミア・キアットCEOは、コンドームの製造・包装コストの上昇に加え、物流の遅延も発生していると明らかにした。ゴ・ミア・キアットCEOは「今年のコンドーム需要は約30%増加した一方、配送の混乱による供給不足はさらに悪化している」とし、「欧州や米国などへの配送は以前は1カ月程度だったが、現在は約2カ月を要している」と述べた。