米国の石油業界の大物らが、イランのホルムズ海峡通行料の賦課を阻止するため、ドナルド・トランプ大統領に対するロビー活動を強化している。
16日(現地時間)の英フィナンシャル・タイムズ(FT)によると、米国石油業界の高位関係者らは、今後の和平協定過程でイランがホルムズ海峡を通過する油槽船に通行料を課すことを認めてはならないという立場をトランプ大統領に伝えている。
現在イランは、海峡を通過する船舶に手数料を課す案を推進中であり、戦争が終了した後もこれを制度化する意思を示している。先立ってイラン議会がエネルギーや食料などを運送する国家に税金を課す案を検討中だと、イランの半官営ISNA通信が報じた経緯がある。ただしイランの半官営メディアであるイラン・インターナショナルによると、現在まで実質的な徴収措置が円滑に実行されず、船舶通行料収益が予想を下回り、イラン高位級官僚の間で内紛が感知されている状況だ。
ホルムズ海峡は、世界の原油と液化天然ガス(LNG)輸送量の約20%が通過する中核水路だ。米国とイスラエルがイランとの戦争を開始して以降、イランが海峡を通る船舶を攻撃すると脅し、事実上通行が中断された。イランの脅威で海上保険料が急騰し、海運会社は当該区間を迂回しており、輸送コストも増加している。
米国石油業界がこのような措置に強く反対する理由は、危険な前例になり得るためだ。業界は、海峡の統制権がイランに残れば神権政治体制を強化し石油産業に打撃を与えるだけでなく、中国など他の国家も類似の海上通行税を導入する可能性があると警告している。
米国最大の石油ロビー団体である米国石油協会(API)は「このようなグローバルなボトルネック地点での通行料賦課は、国際水路に対する憂慮すべき前例を残し、グローバルなエネルギー市場にも否定的な影響を及ぼす」と明らかにした。
米石油業界の大物スコット・シェフィールドは「イスラム聖職者が通行料によってホルムズ海峡を統制することは許せない」と述べ、「イラン革命防衛隊が海峡を掌握してもならない。必ず海峡を開放すべきであり、欧州とアジア、ペルシャ湾諸国が参加する連合対応が必要になるだろう」と語った。
トランプ大統領は8日、イランの通行料徴収問題に関連して「ジョイント・ベンチャー(joint venture)形態も検討できる」と言及したが、翌日「イランは通行料を賦課しないほうがよい」として立場を翻した。これを機に石油業界は、今後の交渉でホワイトハウスが強硬基調を維持するようロビーの強度を一段と高めている。
中東産油国も同じ立場を示している。アブダビ国営石油会社(ADNOC)総帥スルタン・アル・ジャベルは「ホルムズ海峡は決してイランが閉鎖したり制限できる場所ではない」とし「これを強行することはグローバル経済の生命線を損ない、すべての国家のエネルギー・食料・保健の安全保障を脅かす行為だ」と批判した。
現在ホワイトハウスは強硬な基調を維持する方針だ。ホワイトハウス報道官は「ホルムズ海峡は国際水域であり、イランが通行料を賦課することを容認しないというのが大統領の確固たる立場だ」と明らかにした。