イランが1カ月以上続いた米国との戦争にもかかわらず、核兵器製造に必要な能力を相当部分維持したと評価されている。このためイランが米国との交渉で「より高い代価」を要求する可能性があるとの分析も出ている。
ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)は12日(現地時間)、イランがホルムズ海峡の統制という新たな経済的てこに加えて、核関連交渉でも追加的な交渉力を確保することになったという政府関係者と専門家の分析を報じた。
米国とイスラエルは今回の戦争で核兵器に関連する研究施設の破壊に注力した。しかしイランが依然として相当数の遠心分離機を保有し、地下濃縮施設も維持している可能性が高いというのが専門家の評価だ。とりわけ兵器級に近い高濃縮ウラン約450㎏をそのまま保有していると推定される。
トランプ第1期政権でイラン政策を担当したエリック・ブリュアーはWSJに「イランがその物質を容易に手放すことはないだろう」と述べ、「2月の交渉当時よりも高い条件を提示するだろう」と語った。
キャロライン・レヴィット米大統領報道官は、イランが濃縮ウランを譲渡する意思を示しており、これを確保することが米国の最優先課題だと明らかにした。また、イラン国内のウラン濃縮を完全に停止させることはトランプ大統領の中核的な「レッドライン」だと強調した。
イランはイスファハンの地下トンネルに高濃縮ウラン備蓄分を分散保管しているとされる。またナタンズ近郊の「ピックアックス・マウンテン」には、米国が破壊しにくい防護地下施設がある。WSJは、ドナルド・トランプ米大統領が施設を確保するための軍事作戦を検討したものの、戦争の長期化懸念から実行しなかったと伝えた。
米国とイランは2月に濃縮問題で交渉に臨んだが合意できなかった。当時イランは60%濃縮ウランを20%水準に下げる案を提示した。これは依然として兵器への転用が可能な水準である。ただしイランは核弾頭の兵器化能力は保有していないとみられる。