金正恩北朝鮮国務委員長が平壌を訪れた王毅中国外交部長と会い、北中の高位級交流拡大と戦略的疎通強化を再確認した。王部長の今回の訪朝は2019年以降で公開された初の平壌訪問であり、コロナ19以後に緩んでいた北中の外交チャネルが再び速いペースで復元されていることを示すとの見方が出ている。
10日中国外交部と官営メディアによると、金委員長はこの日、平壌の朝鮮労働党中央本部庁舎で王部長と接見し、習近平中国国家主席に安否を伝えた。金委員長は昨年9月の中国訪問当時に習主席との会談に言及し、当時導き出された共同認識が具体的に履行されている点に満足を示したと伝えられた。金委員長は北中関係が両党・両国人民の意思に従い「新たな高み」に上がったという趣旨で評価した。
金委員長は続けて、朝鮮労働党9回大会が示した路線を機に中国との高位級往来を一層強化し、戦略的疎通もより緊密にする意思を明らかにした。急変する国際情勢の中でも北中関係を持続的に深化・発展させることは北朝鮮の確固たる方針だと強調し、中国の台湾関連立場と主権・領土完全性守護の努力も支持したと中国側は伝えた。
王部長も習主席の挨拶を伝えて応答した。王部長は北中がいずれも共産党が率いる社会主義国家である点に言及し、複雑な国際情勢の中で両国が主要な国際・地域懸案に対する疎通と協調を一段と強化すべきだと述べた。また交流と往来を拡大して実質協力を促進し、両国最高指導者が用意した共感帯に基づき、伝統的友好関係に新たな時代的内容を吹き込むと強調した。
今回の接触は前日に行われた王部長と崔善姫北朝鮮外相の会談の延長線上にある。双方は今年の北中友好協力条約締結65周年を迎え、外交当局間の戦略的疎通と各分野の交流を拡大することで意志を一つにした。王部長は訪朝期間、平壌江東郡の中国人民志願軍烈士陵園も訪れ、北中関係がいわゆる「血で結ばれた友誼」の上に立っている点をあらためて浮き彫りにした。
北中関係は昨年下半期から目に見えて復元される流れを示してきた。金委員長が昨年9月に北京を訪れ、習主席と首脳会談を行い、続いて10月には李強(リー・チャン)中国国務院総理が平壌を訪れた。最近では北京—平壌の旅客列車運行と中国国籍機の航空便も一部再開された。昨年の中国の対北朝鮮輸出は23億ドルで6年ぶりの最高値を記録した。政治・外交チャネルだけでなく交通・経済交流も再び活気を取り戻す様相だ。
外交界では王部長の今回の訪朝時点に特に注目している。来月に予想される習近平主席とドナルド・トランプ米国大統領の首脳会談を前に、朝鮮半島問題が議題に上る可能性が取り沙汰されるだけに、北中が事前に立場の調整に動いた可能性があるとの観測が出ている。
最近北朝鮮がロシアと接近するなかで中国も再び平壌との戦略チャネルを固める様子を見せており、北中露と米中関係が絡む北東アジアの外交地形にも少なからぬ影響を及ぼし得るとの分析だ。