米国が破局へ向かっていたイランとの戦争を2週間猶予した。ドナルド・トランプ米大統領は現地時間7日午後6時32分、自身が最後通告として設定していたデッドラインを約90分残して、イランへの軍事攻撃を2週間停止する条件付き休戦(ceasefire)に合意した。
トランプ大統領は同時に、イランが平時基準で世界の石油物流量の約5分の1が通過する要衝ホルムズ海峡を「完全かつ、即時に、そして安全に(complete, immediate, safe)」開放しなければならないという前提条件を課した。イスラエル軍当局もホワイトハウスを通じて、2週間爆撃を止める休戦案に同意したとの立場を迂回的に示した。国連事務総長特使もまた、対立の仲裁に向けイラン訪問を打診するなど、国際社会の動きが一段と慌ただしくなった。
トランプ大統領はこの日、合意発表直前まで「イラン文明全体が永遠に破壊され得る」としてイラン指導部を荒々しく威嚇した。米軍とイスラエル軍は、イラン原油輸出の中核ハブであるハルグ島をはじめ、主要鉄道網とインフラ施設を連日空爆した。米中央軍(CENTCOM)も低コスト自爆ドローン数百機を投入して圧力の度合いを引き上げた。イランはイエメンのフーシ派反政府武装勢力を前面に立て、紅海近くのバブ・エル・マンデブ海峡まで遮断し得ると威嚇して対抗した。国内では民間人が発電所周辺を取り囲み人的鎖を作り、決死抗戦の意思を固めた。
両国が極端へ突き進むと、第3国であったパキスタンが乗り出した。ロイターによれば、シャバズ・シャリフ・パキスタン首相とアシム・ムニール陸軍参謀総長が締め切りを前に、トランプ大統領にデッドラインを2週間延長してほしいと切実に要請したという。パキスタンは間もなくイラン政権にもホルムズ海峡の開放を促し、劇的な転換点を用意した。
しかし銃声が止んだからといって戦争が終わったわけではない。イラン最高国家安全保障会議(SNSC)は直ちに声明を出し、2週間の休戦案を受け入れると認めつつも「戦争終結を意味しない」と線を引いた。イランは続けて「われわれの手は引き金の上にある」と厳しく警告した。
両国代表団は近づく金曜日からパキスタンの首都イスラマバードに集まり、戦後処理策と核心争点を巡る激しいフォロー協議を開始する。このため専門家は、今回の合意が終戦につながるよりも、双方が軍事的対峙の中で次局面の主導権を握るために展開する外交的な探り合いであり、2週間の交渉窓口として使われる可能性が大きいと見立てた。
イランは休戦受け入れと同時に、自らが提示した10項目の和平案を前面に出した。ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)などは、この請求書に軍事的休戦を超え、戦後の中東秩序を覆し得る条件が盛り込まれていると伝えた。具体的にはイラン側の和平案には、敵対行為の恒久的終了を基本に、米国・イスラエルの再攻撃禁止の保証、イスラエル—ヒズボラ戦線まで含む全面的休戦が含まれた。
さらに、イランと同盟国に対する制裁の全面解除、ホルムズ海峡に対するイランの統制権の公式承認および通行料の賦課、その通行料をイラン再建に用い一部をオマーンと共有する案まで明記されたとされる。これに、米軍戦闘兵力が駐留する中東基地の全面撤収、凍結していたイラン資産の解除、戦争被害の全額賠償という、実質的に戦勝国並みの要求まで付け加えられた。
その中でも米国が最も受け入れがたい条項は「ウラン濃縮の権利承認」だ。もしイランの主張どおり米国が公にこの権利を承認すれば、これは1979年革命以降47年の敵対関係を無意味にする屈辱的後退であり、安全保障政策の失敗として記録される見通しだ。しかし専門家によれば、イラン側の主張が現実的に受け入れられる可能性は乏しいとみられる。
国際社会にとって最重要のホルムズ海峡開放を巡っても、双方の解釈は衝突している。トランプ大統領は、以前のように自由に航行できる「完全な開放」を主張する。一方イランは「イラン軍の調整下で規制された通航(regulated passage)」を強調している。イラン外務省も「今後2週間は軍の調整下で安全な通航を許容できる」と明らかにした。休戦期間中もホルムズ海峡で自らが握る軍事的統制権を維持する意思の表れと解される。海峡の統制権問題を、実務的な航行管理段階で円滑に妥協できなければ、2週後に再び原油価格が揺らぐ可能性が大きい。
現在トランプ大統領は、イランが提示した10項目を「協議で作動可能な土台(workable basis)」と評している。続けて「争点の大半は既に合意されており、2週間あれば協定を最終確定できる」とし、双方の損得勘定が鮮明に食い違っていることを示唆した。
イランが差し出した交渉案は、湾岸産油国や国際海運業界など多層的な利害が絡み合っている。イラン経済制裁の全面解除や米軍撤収、ホルムズ海峡の統制権維持と通行料徴収のような問題は、イランが米国との二者合意だけで決断することが不可能な要求だ。したがって2週後にあらゆる戦線で砲声が止む「完全終戦」へ一足飛びに到達する確率は極めて低いと専門家は予想した。
代わりに、イラン側の攻撃なしに国際社会がホルムズ海峡を以前のように通航しつつ、部分的にイラン関連制裁を緩和したり、凍結資産を一部解除する妥協案が現実的なシナリオとして取り沙汰される。双方が互いに面子を保てる妥協点を見いだし、今のような危うい停戦状態を継続して延長するだろうという見立てだ。
アルジャジーラはイラン最高国家安全保障会議の声明を引用し、「協議期限は当事者の合意で延長できる」として、暫定フレーム延長の余地を残した。一部では、両国が「部分合意の下での低強度の衝突」というグレーゾーン状態にとどまる可能性も排除できないとした。表向きは協議を続けながら、現場では以前のようにイラン同盟勢力と親イラン民兵を相手に、長期にわたる武力摩擦を継続するとの予測だ。