ドナルド・トランプ米国大統領が1日(現地時間)、「出生市民権制限の大統領令」をめぐる弁論が開かれたワシントンDC連邦最高裁に出席した。
トランプ大統領はこの日午前10時から進行された弁論に出席した。現職の米国大統領が最高裁に出廷した事例は今回が初めてである。
先にトランプ大統領は相互関税賦課の根拠だった国際非常経済権限法(IEEPA)関連訴訟でも最高裁弁論に直接臨む意向を示したが、これを撤回した。この事件で最高裁は2月、6対3の意見でトランプ政権のIEEPAを根拠とした相互関税とフェンタニル関税の賦課は違法だと判断した。
この日トランプ大統領が慣例を破って法廷に出席した背景には、今回の事案でも敗訴した場合に政治的負担が大きくなり得るとの懸念が働いたと解される。
出生市民権は米国憲法に規定された権利だ。米国で生まれた者、または帰化した者は米国および当該州の市民であることを明示している。しかしトランプ大統領は昨年1月の就任後、不法滞在者や永住権のない外国人の親から生まれた子どもには市民権を付与しないという大統領令を出した。
南北戦争後に奴隷とその子どもに市民権を付与するために出生市民権制度が生まれたとして、遠征出産や不法滞在者のための制度ではないと主張した。これは従来の法解釈を覆す見解であり、移民家庭で生まれた大規模な人口の国籍を剥奪し得るという点で激しい反発を招いた。
民主党所属の州知事が率いる22州とワシントンDCが当該大統領令の違憲性を問題視して訴訟を提起し、1・2審では原告側が勝訴した状態だ。
先の相互関税違法判決に続き今回の事案まで違憲決定が下されれば、トランプ大統領は政治的打撃を避けられない。このため、直接最高裁を訪れ影響力を行使しようとする意図があるとの分析も出ている。
出生市民権の制限は、不法移民者の送還政策、「有権者身分証明義務化」法案(SAVE法案)とともに中間選挙戦略の一環としても解釈される。
ただしトランプ大統領は法廷で自らの意見を主張しなかった。行政府を代表してジョン・サウアー法務省訟務次官が弁論を担った。サウアー次官は、単純な出生地ではなく、親の滞在の適法性と米国体制への忠誠の有無を基準に市民権を付与すべきだと主張した。
最高裁判事らは1898年の「ウォン・キム・アーク」判例に言及し、政府の論理の妥当性に疑問を呈した。中国籍の親から生まれた米国出生者の市民権を認めた事例だ。
「米国で生まれ、その管轄に属する人は市民」と規定した1952年移民・国籍法の解釈に関しても、政府側の立場をただしたとされる。
最高裁の判断は今夏に出る見通しだ。現時点ではトランプ大統領に不利な結論が出る可能性が大きいとの観測が優勢である。