米国・イスラエルとイラン間の戦争が続く中、中国とロシアが長年の友好国であるイランに直接支援を 行わないことについて、「戦略的計算」が込められた行動だとの分析が出ている。表向きは距離を置く立場を取っているが、水面下では間接的な方式でイランを支援しているということだ.
30日(現地時間)米国シンクタンクのピーターソン国際経済研究所(PIIE)は「今回の空爆に対する中国とロシアの反応は米国を非難する水準にとどまっているが、この自制を無対応と誤解してはならない」と明らかにした。続けて、ロシアがイランに米軍兵力と艦船、航空機の位置および移動経路に関する衛星画像を提供してきたと伝えた。
先立って米国日刊紙ワシントン・ポスト(WP)は今月初め、匿名の関係者らを引用し「ロシアがイランに軍艦と航空機を含む米軍施設の位置情報を渡した」と報じた。軍事用衛星を少数しか保有しないイランは開戦1週間で米軍の位置把握能力が大きく低下したが、ロシアの支援などを土台に米軍施設を狙った攻撃を続け始めたと伝えられた。
中国とロシアが水面下でイランを支援する理由は、イランの崩壊が米国の覇権強化につながり得るためである。中国とロシアはこれまで、イランの上海協力機構(SCO)加盟とBRICS参加を推進するなど、米国に対抗する多極体制の構築を試みてきた。今回の戦争を機に米国がイランで主導権を確保する場合、両国が積み上げてきた外交的成果も相当部分で弱まる可能性がある。
とりわけ西側制裁で割安な価格のイラン産原油を供給されてきた中国にとっては、米国の勝利はすなわちエネルギー覇権が米国に移ることを意味する。中国税関総署(GAC)によれば、中国は原油輸入量の約42%、液化天然ガス(LNG)の31%を中東に依存している。ホルムズ海峡を通じた供給に支障が生じる場合、中国のエネルギー安全保障にも相当な打撃が避けられない。
米国シンクタンクのアトランティック・カウンシルも28日、「ドローンからロケット燃料まで:中国とロシアはサプライチェーンを通じてイランを支援している」との報告書を通じ、中国とロシアが「回避の軸(Axis of Evasion)」という反米ネットワークを通じてイランを支援していると分析した。「回避の軸」は、中国が西側の制裁を受ける国家から石油を輸入し、デュアルユース技術を提供する方式で形成された制裁回避ネットワークを意味する。
これらの国々は「回避の軸」を通じて西側制裁を迂回してきており、この戦略は最近のイラン戦争でも効果を発揮している。今回の戦争でイランの主力兵器として活用される自爆ドローンは、電子装備、エンジン、半導体など多様な輸入部品に依存しているが、イランは中国を経由してこれを調達している。またロシアがウクライナに侵攻した2022年以降、イランはドローンと関連技術をロシアに提供してきており、現在はむしろロシアからドローンの供給を受けているとされる。
ロシアが衛星画像とドローン技術をイランに提供したのであれば、中国は航法技術の支援に乗り出している。アトランティック・カウンシルは専門家らを引用し、イランの兵器が中国の衛星システムを活用していると伝えた。中国は自国が開発したベイドゥ衛星航法システムまでイランに提供しており、イランはこれを活用して攪乱信号を生成し軍事の動きを隠蔽しているとされる。
戦争後にイランの軍事力再建を遮断するには、中国とロシアがイラン政権を支援し制裁と輸出統制を迂回する構造に米国が積極的に対応すべきだとの指摘も出ている。アトランティック・カウンシルは「中国・ロシア・イランは引き続き協力し制裁を回避している一方、米国は制裁執行で一貫性を欠いた」とし「複数の仲介国と物流網を活用するイランの調達ネットワークを中間段階まで追跡して制裁する必要がある」と明らかにした。