中国のキャラクター企業ポップマート(泡泡玛特)は過去最高の業績にもかかわらず株価が急落し、持続可能な成長への懸念が強まっている。「ピークアウト」指摘が出るなか、核心知的財産(IP)である「ラブブ」への依存度が高すぎ、ラブブに続く次世代の中核IPを育成できていないとの分析だ。会社はストーリーなしでキャラクターのみで存在していたIPをアニメーション映画として制作しキャラクターの世界観を広げ、IPを活用した家電製品の発売を予告して活路を模索している。
◇ 過去最高の業績…売上高・利益ともに急増
中国の経済メディアである財新と第一財経によると、ポップマートは25日に発表した2025年の業績で売上高371億2000万元(約8兆ウォン)、調整後純利益130億8000万元(約2兆8488億ウォン)を計上したと明らかにした。前年に比べそれぞれ184.7%、284.5%増で、創業以来の最高業績である。製品群別では、ぬいぐるみカテゴリーが187億1000万元(約4兆ウォン)で前年に比べ560.6%急増し、初めて最大の売上比重を占めた。
グローバル展開も業績を下支えした。海外売上高は162億7000万元(約3兆5451億ウォン)で291.9%増加し、全体売上に占める比率も31.8%から43.8%へ拡大した。その中でも米州市場と欧州・その他地域の売上がそれぞれ748.4%、506.3%伸び、成長のもう一つの柱として定着した。会社側は米国市場の業績が社内予想を大きく上回ったと明らかにした。
店舗数も大きく増えた。ポップマートは昨年、世界で109店舗を増やし、合計630店舗を運営した。ロボット自販機は2637台で前年より165台増やした。ドイツ、デンマーク、カナダ、フィリピンに初のオフライン店舗を開き、中国・上海とタイ・バンコク、オーストラリア・シドニーなどにフラッグシップ店舗を開設した。
◇ ラブブ依存・ピークアウト懸念で株価急落
しかし市場の反応は正反対だった。業績発表当日、香港市場でポップマートの株価は前日比22.5%急落した。その後も下落基調が続き、27日午後1時時点で150.7香港ドル(約2万8996ウォン)で取引されたが、これは昨年4月以降1年ぶりの安値だ。
株価急落は持続可能な成長への懸念が反映された結果とみられる。とりわけラブブを含む「ザ・モンスターズ(The Monsters)」シリーズの売上比重が全体の38%に達し、特定IPへの依存度が過度に高い点が負担要因として指摘された。業績発表によると、ザ・モンスターズシリーズは売上高141億6000万元(約3兆ウォン)を記録し、前年同期比で365.7%増加した。これに対し「スカルパンダ」「クライベイビー」「モリー」など6つのIP売上高は各20億元(約4357億ウォン)以上、そのほか17のIP売上高は各1億元(約217億ウォン)にとどまった。
あわせて成長率の鈍化見通しも影響した。ワン・ニン、ポップマート最高経営責任者(CEO)は業績発表で今年の売上成長率目標を「20%以上」と提示したが、これは2025年(184.7%)と比べ大きく低下した水準だ。会社側は高速成長の後の段階では規模拡大より持続可能性を重視する立場だとするが、市場ではこれを成長曲線がすでに頂点を過ぎたシグナルと解釈する雰囲気だ。
これを受けポップマートは株価の急落を食い止めるため、26日に自社株買い計画を発表した。ポップマートは総額5億9900万香港ドル(約1152億ウォン)を投じ、394万株(1株当たり148.4〜157.8香港ドル)を取得する。
◇ 活路としてIP家電・アニメーションを提示
こうした状況のなか、ポップマートはIP拡張戦略を本格化している。会社は4月にラブブなど自社IPを活用した小型家電製品を発売し、ジンドン(京東)など電子商取引プラットフォームを通じて販売する計画だ。従来のアートトイ中心から脱し、生活消費財へ領域を広げる試みである。
またソニーピクチャーズと協業し、ラブブIPを基にした実写アニメーション映画も開発中だ。当該プロジェクトは実写とコンピューターグラフィックス(CG)を組み合わせた形で制作する予定で、まだ初期段階にある。映画『パディントン』シリーズと『ウォンカとチョコレート工場のはじまり(原題:Wonka)』を演出したポール・キング監督がメガホンを取り、ザ・モンスターズ原作の作家であるロン・カシンが総括プロデューサーとして参加する。
オフライン事業も拡大中だ。ポップマートはテーマパークやフラッグシップ店舗、ポップアップストアなどを通じてIP体験空間を増やしており、デザートなどの飲食事業も店舗へ拡大する計画だ。北京・朝陽区にオープンしたテーマパークは今夏、拡張して再オープンする予定である。単なる商品販売を超え、IPを基盤にした体験消費を強化しようとする戦略とみられる。
もっとも、こうした拡張戦略の成果はまだ検証されていない。会社が打ち出したモバイルゲームは現在まで目立った成果を出せておらず、新規IPもラブブに代わる水準の影響力を確保できていない状態だ。モーニングスターのアナリストであるジェフ・チャンはロイター通信に「ポップマートがライセンシング事業とテーマパーク運営にさらに力を入れているが、実行リスクは依然として高いとみる」と述べた。