米国に続き欧州連合(EU)まで中国系の超低価格電子商取引プラットフォームの規制に乗り出し、グローバル越境EC市場が分岐点を迎えた。これまで少額免税制度を土台に急成長してきたシーインとテムーを狙った措置で、安価な海外直購入というビジネスモデル自体が揺らぎかねないとの見方が出ている。
26日(現地時間)フランスのル・モンドによると、欧州連合(EU)はこの日、少額宅配に対する関税賦課および規制強化策で合意した。これにより7月からは150ユーロ以下の少額物品にも1件当たり3ユーロの関税が付き、11月からは別途の処理手数料まで追加される。事実上、免税で流入していた小型の直購入商品にコストが上乗せされるということだ。
今回の措置の核心は、単なる課税を超えて法的責任主体をプラットフォームへ転換した点にある。これまでは消費者が輸入者とみなされ、製品に問題が生じてもプラットフォームは責任を負わなくてよかった。しかし今後はシーイン・テムーなどのプラットフォームが製品安全と規定順守に対する法的責任を直接負う。これに違反した場合、2028年から年間輸入額の最大6%に当たる罰金を科される。
こうした動きは米国の規制基調と歩調を合わせる。米国も中国発の直購入物量が急増すると、昨年4月、ドナルド・トランプ大統領が少額免税制度を廃止する大統領令に署名した経緯がある。自国流通業者への逆差別を防ぎ、安全基準未達の製品流入を遮断する趣旨だ。
実際に欧州内の安全性問題は繰り返し指摘されてきた。フランス当局の調査によると、海外プラットフォームで販売された玩具の60%以上が安全基準を満たさなかったという。税関も1日数千万件に上る物量を処理できず、相当数の製品が事実上の未検証で流入しているのが実情だ。ル・モンドは2024年の1年間で欧州に流入した150ユーロ未満の小包が46億個に達したと伝えた。2022年の14億個からわずか2年で3倍超に急増した数値だ。このうち91%が中国製だった。
EUは27加盟国ごとにばらつく税関システムを一元化するため、フランスのリールに「欧州関税庁」を新設する。2028年から統合データプラットフォームを稼働し、中国製小包の位置をリアルタイムで監視する戦略だ。
専門家は今回の措置をグローバル流通秩序再編のシグナルと解釈する。超低価格を前面に出す中国プラットフォームが既存規制の隙を突き市場を素早く侵食すると、主要国が同時にブレーキをかけ始めたとの分析だ。プラットフォーム側も対応に乗り出す見通しだ。コスト負担を抑えるため、欧州最大のオンラインショッピングプラットフォームであるザランドのように欧州内に物流倉庫を構築する案が取り沙汰される。ただし物流・運営コストの増加は避けられず、消費者価格の上昇につながる可能性もある。