ドナルド・トランプ大統領が5月14〜15日に中国・北京を訪問し、習近平国家主席と首脳会談を行うと、米ホワイトハウスが25日(現地時間)に伝えた。当初3月末に予定していた訪中日程は、米国とイランの戦争が長引き、およそ6週ほど先送りとなった。トランプ政権は発足以降、アジアへ安全保障の重心を移すと公言してきた。しかし武力衝突を機に再び中東紛争に足を取られ、核心課題である対中国けん制戦略に支障が生じているとの指摘が出ている。莫大な資源が中東に偏るなか、アジア太平洋地域の同盟国が感じる不安感も増している状況だ。
25日ロイターとニューヨーク・タイムズ(NYT)など主要メディアの報道を総合すると、この日ホワイトハウスはトランプ大統領の訪中日程を公式発表し、イラン戦争の状況を会談延期の理由に挙げた。カロリン・レビット米ホワイトハウス報道官は記者会見で「習主席は、トランプ大統領が戦闘作戦期間に米国にとどまる状況を理解した」と説明した。米国は2月28日にイスラエルとともにイラン空爆を開始した後、当該作戦を4〜6週以内に終えるという目標を掲げている。
トランプ大統領は自身のソーシャルメディアに「代表団が歴史的な訪問の準備を最終段階にある」とし、「習主席とともにする記念碑的な行事を心から待ち望む」と記した。ワシントンへの答礼の性格で2回目の首脳会談を開く計画も併せて示した。
今回の戦争でアジア太平洋域内の平和を維持しようとした米国の安全保障戦略は大きな試練に直面している。まず米国はアジアに配備していた中核の軍事アセットを中東へ緊急に引き抜いている。日本・沖縄に駐留中の海兵隊兵力2500人と空母打撃群はもちろん、韓国に配備したTHAAD(高高度ミサイル防衛)装備の一部やパトリオット迎撃ミサイルも中東に向かっている。米国防総省が2000億ドル規模の追加予算を議会に要請するなど、戦争の長期化の兆しすら見える。
友好国は域内の安保空白を深刻に懸念している。アジア地域での米軍戦力が弱まれば、中国が台湾をはじめとする紛争地域で一段と強い軍事的圧力をかける隙を与えかねない。ホルムズ海峡の封鎖でアジア各国が直面するエネルギー需給の危機も厄介だ。
米国内の外交・安保専門家は拙速な中東軍事介入を強い調子で批判している。ジャック・クーパー米企業研究所(AEI)上級研究員は「イラン戦争は、米国がアジアに集中することがどれほど難しいかを明確に示す」とし、「米国の安保支援を懸念する一部の国がリスク回避に動くことで、中長期的に中国を大胆にする危険がある」と分析した。ライアン・ハス・ブルッキングス研究所上級研究員も懸念を示した。ハス氏は「中東戦争が長引けば、トランプ大統領は中国に対して不利な札を握らざるを得ない」とし、「中国が米国側の要求を拒む際に、武力を動員して圧迫する余力がそれだけ減る」と評価した。