米国がイランの中核的な石油輸出拠点であるハルグ島に海兵隊戦力を電撃投入し、島全体を掌握する可能性があるとの観測が浮上した。この島はイラン原油輸出量の大半が通過する要衝で、事実上イラン経済の心臓部と評価される。
18日(現地時間)、ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)など海外メディアによると、米国防総省は日本の沖縄に駐留していた第31海兵遠征部隊(MEU)兵力約2000人を中東地域に展開中だとされる。これを受け、米国が海上・空中奇襲に特化した海兵遠征部隊をハルグ島の占領作戦に投入し、イラン南部の海岸線を掌握しようとしているとの分析が出ている。
フランク・マッケンジー前米中央軍(CENTCOM)司令官は「米軍には事実上二つの選択肢がある」と述べ、「(ハルグ島の)石油基盤施設を破壊してイランをはじめ世界経済に取り返しのつかない打撃を与えるか、島を掌握して交渉カードとして活用することだ」と説明した。
ハルグ島はペルシャ湾に位置するイランの大陸島で、本土から25km、ホルムズ海峡から北西へ約483kmの地点にある。面積はウルルンド(鬱陵島)の3分の1に当たる25km²にすぎないが、1日最大700万Barrelまで積載可能な大規模原油貯蔵施設を備え、「禁断の島」「宝島」などの異名がある。島の南側には多数の貯蔵タンクが密集し、海底送油管はイランの大型油田を結び、イラン原油輸出量の約90%がこの島を経由するとの集計がある。
これに先立ち米国がハルグ島を空爆した際も、国際原油価格は急速に上昇幅を拡大した。13日、ドナルド・トランプ米大統領がトゥルースソーシャルを通じて「ハルグ島のあらゆる軍事目標を完全に破壊した」と明らかにすると、国際原油の指標であるブレント価格は急伸し、Barrel当たり100ドル台を維持してきた。トランプ大統領は「石油インフラは破壊しないことにした」と補足したが、強い不安心理が広がり、原油価格が近く150〜200ドルまで急騰する可能性も指摘される。
トランプ大統領は長期的に島の掌握を検討してきたとの観測がある。実業家時代の1988年に英紙ガーディアンのインタビューで「米艦に弾丸が一発でも飛んでくるならハルグ島に致命的な打撃を加え、そこを占拠する」と発言しており、関税政策の必要性を1980年代から強調してきた点を踏まえると、軍事作戦も推進する可能性が高いとの分析だ。
実際に島の石油施設が空爆にさらされれば、その波及はイランを越えて世界に拡大する見通しだ。イランが近隣のサウジアラビアやカタール、アラブ首長国連邦(UAE)などに報復し、グローバル供給網が連鎖的に麻痺する恐れがあるためだ。この地域は世界の原油埋蔵量の30%超を保有しており、先にイラン軍は国営メディアを通じ、自国の石油・エネルギーインフラが攻撃を受けた場合には中東のエネルギーインフラをすべて攻撃すると対抗姿勢を示した。
米戦略シンクタンクのクインシー研究所のトリタ・パルシ副所長は「事実上、世界の石油供給量のうち日量150万〜200万Barrel規模が失われ得る」とし、「ペルシャ湾全域で原油輸送が止まれば、国際原油価格はBarrel当たり150ドルを上回り、米国のガソリン価格もガロン当たり5〜6ドルに上昇して食料品価格の上昇を誘発し得る」と指摘した。
地上軍投入で戦争が長期化した場合、グローバル経済も深刻な打撃は避けられない見通しだ。ゴールドマン・サックスによると、戦争が5〜6週以上続けばカタールなど湾岸協力会議(GCC)加盟国の国内総生産(GDP)は最大14%減少し、これは新型コロナウイルスのパンデミック時に匹敵するレベルの衝撃とみられる。
しかしハルグ島への空爆が続いても、原油輸出が全面的に停止することはないとの見方もある。1980年代のイラン・イラク戦争当時にもイラク軍は島を繰り返し攻撃したが、イランは小型港湾や仮設ターミナルなどの迂回ルートを確保して輸出を継続した前例があるためだ。
一方で、中国がハルグ島空爆の最大の被害者になり得るとの主張もある。中国はイランの海上輸出原油の80%超を購入する主要顧客で、ハルグ島を経由して輸出される原油も大半が中国に流れるためだ。現在、中国はホルムズ海峡の封鎖に伴い、同海峡に代えて紅海沿岸のヤンブー港を利用して原油確保に動いているとされる。