イランの戦争でグローバルなエネルギー市場の混乱が拡大するなか、韓国の海運企業である長錦商船(Sinokor・シノコ)の超大型油槽船の運用戦略が世界の海運市場の注目を集めている。
15日(現地時間)ブルームバーグによると、シノコは戦争が始まる数週間前から超大型原油運搬船(VLCC)を買い入れるかリースし、市場支配力を拡大した。会社は先月末時点で約150隻のスーパータンカー(巨大油槽船)を運用しているとされる。
シノコは1月29日、少なくとも6隻の空の超大型油槽船をペルシャ湾へ移動させ、貨物を待機させた。その後、およそ1カ月後の2月28日に米国とイスラエルによるイラン空爆でホルムズ海峡が封鎖されると、追加の貯蔵スペースが必要になったグローバル石油各社から引き合いを受けた。
イランのホルムズ海峡封鎖で用船料が急騰すると、シノコは石油会社から昨年より約10倍高い1日50万ドル(約7億5000万ウォン)の用船料を受け取り、船舶を貸し出している。石油会社はシノコの油槽船を浮体式貯蔵所として活用しているという。
シノコは1月に平均約8800万ドルで船舶を買い入れたが、1日50万ドル水準の契約が継続する場合、半年もかからずに船価を回収できる見通しだとブルームバーグは伝えた。
原油輸送の運賃も大きく上昇している。シノコは中東から中国まで石油を輸送するのにバレル当たり約20ドルを要求しているとされる。これは昨年の平均(バレル当たり2.5ドル)と比べて大幅に上がった水準である。
1989年に設立されたコンテナ海運会社として出発したシノコは、韓国船主協会会長を務めたチョン・テスン会長が率いる。今回の大規模油槽船確保戦略は、チョン会長の息子であるチョン・ガヒョン、シノコ取締役が主導したとされる。
ブルームバーグは「イランの戦争がグローバルなエネルギー市場に混乱を引き起こすなか、ある隠遁型の韓国の大物実業家の収益が急増している」とし、「今回の混乱の中で最大の勝者の一人として浮上する可能性が高い」と伝えた。