中国が台湾問題で武力を行使する余地が大きくなったとの分析が台湾メディアで提起された。中国軍首脳部の粛清で習近平国家主席の軍事指揮権が一段と盤石になり、台湾問題で軍事行動を選択する余地が広がったとの評価である。また2028年1月の台湾総統選挙が両岸(中国と台湾)関係の主要な変曲点になると予測した。
13日台湾の自由時報によると、モリモト・サトシ前日本防衛相は最近のインタビューで、中国内部の権力構造の変化に関連し、習主席の指揮権が強化される場合、台湾に対する軍事行動を選択しやすくなり得ると語った。中国官営の新華通信などによれば、当初習主席を含め計7人だった中央軍事委員会は、チャン・ヨウシア副主席らの失脚で、現在は習主席とチャン・ションミン副主席の2人だけが残っている状況である。軍当局が「軍事委主席責任制」の貫徹を約束するなど習主席への忠誠を示しており、習主席の軍事指揮権はいっそう盤石になったと評価される。
軍当局が直接、武力行使の可能性を示唆した。前回の両会(全国人民代表大会と中国人民政治協商会議)期間、チャン・シャオガン中国国防部報道官は記者会見で台湾問題に関連し「最大の誠意と最善を尽くして平和統一の展望を追求するが、武力行使を放棄すると絶対に約束しない。必要なあらゆる措置を取る選択肢を保有している」と述べた。
モリモトは、台湾の独立宣言や米国の明確な軍事介入の約束など突発事態が発生する場合、中国が軍事行動を選択し得ると展望した。モリモトは「この場合、中国は武力行使をちゅうちょしない可能性がある」とし「中国が武力統一を回避するという当初の評価は誤りだったかもしれない。習主席は過去にも武力統一を検討していたと伝えられており、この意思は変わらない可能性がある」と主張した。
また中国がここ数年でグレーゾーン戦術(低強度の挑発で安保目標の達成を狙う軍事行動)を拡大している点にも注目した。ブルームバーグ通信によると、台湾国防部は11〜12日、中国人民解放軍(PLA)の軍用機5機が台湾防空識別圏(ADIZ)に進入し、軍用機3機が事実上の境界線である台湾海峡の中間線を越えたと明らかにした。モリモトは「中国軍用機のADIZ進入、軍艦の近隣海域への接近、海警と海上民兵まで参加する合同訓練が続いている」とし「米国はこうした動きを実際の軍事行動を想定した事前演習の性格とみている」と述べた。
一方、インタビューでは反対シナリオも併せて言及された。中国が直接的な軍事攻撃の代わりに、政治・経済・情報戦など多様な手段を活用して統一を追求する可能性があるという主張である。モリモトは「このようなシナリオでは米国をはじめ複数の国の介入が難しくなるため、中国が統一を達成するうえでより効率的な方法になる」と語った。モリモトは「専門家は、中国が台湾に武力を行使する場合、莫大なコストを招き費用対効果が低いなどリスクが大きいとみている。したがって習近平主席が統一のために武力行使を優先しない可能性も高い」としつつ「この場合、2028年台湾総統選挙が(台湾問題の解法を分ける)重要な転換点になり得る」と述べた。
台湾問題は間もなく行われる米中首脳会談でも扱われる見通しだ。ロイター通信によると、米国政府は3月31日〜4月2日のドナルド・トランプ大統領の訪中後、台湾に先進的な迎撃ミサイルなどを含む約140億ドル(約21兆ウォン)規模の武器売却を準備していると伝えられる。この武器パッケージは中国の軍事的圧力が強まる台湾を支援するためのもので、承認されれば台湾に対する米国の過去最大規模の武器売却となる見通しだ。習主席は2月にトランプ大統領と通話した際、「米国は台湾への武器売却に慎重であるべきだ」と直接言及した経緯がある。