11月の米国中間選挙を前にテキサスで実施された連邦上院の民主党予備選で、新人のジェームズ・タラリコ・テキサス州下院議員が勝利し、ワシントン政界の視線がテキサスに向かっている。1988年以降一度も民主党が勝てていない「共和党の牙城」テキサスで、タラリコが番狂わせを起こせるか注目が集まる。一方、同日に行われた共和党予備選では過半得票者が出ず、決選投票を経て11月の本選で最終勝者を決める展開となった。
3日(現地時間)、共和党と民主党はそれぞれ連邦上院の予備選を実施した。今回の上院議員選挙は、共和党所属の4選上院議員ジョン・コーニンの任期が年末に満了することに伴い行われるものだ。民主党では、1989年生まれの若手政治家タラリコが主導権を握った。かつて教師として働き、現在は長老派神学校で学ぶタラリコは、「MAGA(米国を再び偉大に)」勢力の中核である米国の保守的福音派を鋭く批判し、新星として台頭した人物である。タラリコは得票率53%を記録し、ダラス選挙区の44歳の連邦下院議員ジャスミン・クロケットを7ポイント差で退けた。英フィナンシャル・タイムズ(FT)は「タラリコは進歩的な政策を掲げつつも、無所属および現政権に失望した共和党員に向けた穏健な外延拡大を中核戦略とした」と伝えた。
タラリコは今回の選挙を機に民主党の次世代政治家として台頭しているとの評価を受けている。民主党内部でもタラリコの勝利をめぐり、次世代指導者の登場との見方が出ている。FTによると、テキサス出身の民主党連邦下院議員グレッグ・カサールは「タラリコは民主党の未来だ」と述べ、「労働者階級を一つに束ね、生活費を引き上げる億万長者たちに立ち向かうというメッセージを示した」と語った。
一方、同日に行われた共和党予備選では、ケン・パクストン・テキサス州法務長官と4選上院議員のジョン・コーニンが争ったが、過半得票者は出なかった。両者は5月26日の決選投票を経て、11月3日の本選で最終勝者を決めることになる。
テキサスは伝統的に共和党の強地とみなされてきた。1988年以降、民主党が連邦上院選で勝利したことがないほど、共和党にとっては確実な議席と分類されてきた。しかし、トランプ大統領の支持率が低下するなか、各種スキャンダルに巻き込まれたパクストンが共和党候補となれば、民主党が勝利する可能性もあるとの期待が高まっている。パクストンはトランプの「マガ(MAGA)」支持層には人気が高いが、中道層では拒否感が強いとの評価が出ている。さまざまなスキャンダルも負担要因とされる。パクストンは職権乱用や腐敗疑惑などで2023年にテキサス下院から弾劾されたが、上院の裁判で無罪評決となり職を維持した。弾劾過程では不倫および利益相反の疑惑も提起された。パクストンが共和党候補となる場合、タラリコに3ポイント差で敗れるという世論調査結果も出た。さらに、1月31日に行われたテキサス州上院第9選挙区の補欠選挙決選で、民主党候補が57%対43%で勝利したことを受け、共和党内部では危機感が強まっている。