米国とイスラエルの空爆で死亡したアヤトラ・アリ・ハメネイの後任として次男が選出され、イラン情勢が霧の中に入った。再び米国と敵対する「強硬派」勢力が政権を握ることで、イラン政権と米国、さらにはイラン国民との不安定な関係が続く可能性が提起される。
イラン現地メディアのイラン・インターナショナルは3日(現地時間)、消息筋の話として、88人の高位聖職者で構成される専門家会議がハメネイの次男モジタバをイラン最高指導者に選出したと報じた。この日、ニューヨーク・タイムズ(NYT)も匿名のイラン当局者3人を引用し「高位聖職者が会議を開いて協議した結果、暗殺されたハメネイの息子が有力な後継として浮上した」と伝えた。
モジタバは父親と同様にイラン強硬保守陣営と歩調を合わせる人物で、政権反対勢力に対する弾圧と外国の敵対国に対する強硬政策を支持してきた。モジタバはイラン最強の軍事組織であるイラン革命防衛隊(IRGC)とも緊密な関係を結んでおり、後継者に選出される過程でもIRGCの圧力が作用したとされる。
モジタバの選出は米国にとって最悪のシナリオに近い。トランプ大統領はこの日、フリードリヒ・メルツ独首相との二者会談の場で「最悪のケースは、われわれがこの仕事をしても以前の人物と同じくらい悪い誰かが権力を掌握することだ」と述べ、「そのようなこともあり得る。しかしわれわれはそれを望まない。国民のためにイランを立て直す人物が執権することを望む」と語った。モジタバが実際にイラン最高指導者の座に就けば、イランと米国の不安定な関係は当面続かざるを得ない見通しだ。
米国は当初、ハメネイの後任として親米性向の人物を念頭に置いていた。これに先立ちトランプ大統領は1日、NYTとの電話インタビューで今後イランを誰が率いるのかとの質問に「非常に良い選択肢が三つある」と述べ、「彼らが誰かは今は明らかにしない」と語った。またトランプ大統領がイラン空爆に関連してベネズエラの事例に言及したのも、ベネズエラのようにより前向きな人物が次期指導者に選出されることを望む意図と解される。
しかし対イラン攻勢が続く中で、米国が考慮していた人選の身辺が不透明になっている。トランプ大統領はこの日「われわれが(次期指導部として)念頭に置いていた多くの人が死んだ」とし、「われわれが考えていたグループの一部が死に、別のグループもいるが報道によれば彼らも死んだ可能性がある」と述べた。
続けてトランプ大統領は「最初の攻撃で(イラン首脳部)49人が除去された」とし、「きょう新たな指導部に関連して別の攻撃があったと承知しているが、それも相当な打撃だったはずだ」と説明した。これはイスラエルがこの日テヘラン南方のゴムにある国家指導者運営会議(専門家会議)庁舎を攻撃したことに言及したものとみられる。ただしイランのファルス通信によると当時建物は空であったと伝えられた。
イラン内部で反発が起きる可能性も提起される。イランの政治分析家メフディ・ラフマティは「モジタバは安保および軍事機構の運営と調整に通じているため、現時点では最も現実的な選択だ」としつつも、「一部の国民はこの決定に否定的かつ強く反応するだろうし、それが逆風を招く可能性がある」と述べた。実際にイランでは1月に反政府デモが起きるほど現政権に対する国民の不満が小さくない状況だ。