米国とイスラエルの軍事攻撃とイランの武力対応が4日目に拡大するなか、ドナルド・トランプ米政権がイラン空爆の名分をめぐり発言を二転三転させる様子を見せ、軍事行動の正当性を巡る論争が拡散している。
3日(現地時間)のワシントン・ポスト(WP)によると、ホワイトハウスの主要官僚が今回のイラン空爆の目的と方向性をめぐり相反する説明を示し、混乱が増幅している。これに加え、空爆直前にイランが米本土を狙った「差し迫った脅威」を加えた根拠が事実上見当たらないという内部分析資料が見つかり、軍事行動の当為性に疑問が生じる様相だ。
先にトランプ大統領は先月28日、米国とイスラエルのイラン空爆の事実を明らかにし、イラン国民に主権を取り戻すよう促した。トランプ大統領は自身のソーシャルメディア(SNS)トゥルース・ソーシャルで「歴史上最も邪悪な人物の一人であるハメネイが死亡した」とし、「イラン国民が自らの国を取り戻すことができるたった一度の偉大な機会だ」と述べた。
特にトランプ大統領は対イラン軍事攻撃について、国民だけでなくすべての偉大な米国人、ハメネイとその血に飢えた暴漢集団に殺害または不具にされた世界中の多くの国の人々のための「正義」だとし、「爆撃は中東全域と世界の平和という目標を達成するために必要な限り、休むことなく継続する」と強調した。空爆がイラン独裁政権を打倒するために敢行されたと推測できるくだりである。
またトランプ大統領はイラン空爆を発表した直後、空爆を正当化する多数の根拠を相次いで示し始めた。イラン空爆発表直後にトゥルース・ソーシャルで「イランが2020・2024年の米大統領選に介入した」という報道を共有したほか、「ハメネイが2度暗殺を試みた」として「自分が先に彼を捕らえた」という主張も展開した。
一方で政権の主要官僚はそれぞれ異なる根拠を示した。ピート・ヘグセス国防長官はペンタゴンの記者会見で「イランは核兵器を確保するため嘘を繰り返し、我々の喉元に銃口を突きつけていた」とし、「米国の基地と米国人、同盟国すべてが彼らの照準線に含まれた」と主張した。とりわけヘグセス長官は「空爆の目標は体制転換ではない」と付け加え、これは先のトランプ大統領の発言と真っ向から対立する部分だ。
マルコ・ルビオ国務長官は「イスラエルがイランを攻撃することを把握していた」とし、「この場合、米軍に対する報復と死傷者が発生し得るため、リスクを最小化するために先制対応に出た」と説明した。このように政権閣僚間でも解釈が分かれる現象は、同じ軍事作戦をめぐりホワイトハウス内部ですら混線が生じていると解される。
ここに、トランプ大統領が先の演説で示したイラン政権の「差し迫った脅威」が事実上見当たらなかった状況が相次いで明らかになり、軍事行動への疑念はいっそう増幅している。
米国防情報局(DIA)が昨年発表した報告書によれば、イランは核計画をまだ再開しておらず、とりわけ米国を攻撃可能な大陸間弾道ミサイル(ICBM)を確保するまでには約10年を要するとの見通しが示されたという。現在のイランの膨大なミサイル戦力の大半は中・短距離体系で、直近2年間にイランが発射したミサイルは自国領土や利害関係への「報復」の次元にとどまり、先制攻撃の事例はなかったというのが当局の分析だという。
米上院情報委員会の副委員長であるマーク・ワーナー民主党上院議員は、イランが米国に「差し迫った脅威」を加えたという情報はどこにも見当たらないと批判した。脅威はイスラエルに限って行われ、米国が介入する名分はなかったという指摘だ。複数の内部管理者もまた、空爆直前にイランがミサイルや核計画で急速な進展を遂げたという情報を入手していなかったと証言したとされる。
イランも強く反発している。米国はイスラエルに代わって選択的に戦争に飛び込み、米国に向けたイランの「差し迫った脅威」は存在しなかったというのがアッバス・アラクチー・イラン外相側の説明だ。
空爆に対する米国内世論は拮抗している。WPの世論調査によると、回答者の52%が空爆に「強く」または「ある程度」反対すると示し、39%は支持の意向を示した。保守陣営内部でも空爆をめぐり賛否の世論が形成されている。共和党指導部はイランの長期にわたるテロ支援の前歴と核野心を挙げ大統領の決定を支持した一方、保守系論客で放送人のメーガン・ケリーは米軍戦死者6人に言及し「彼らはイラン、イスラエルのために死んだ」として批判の声を強めたことがある。
これを受け、議会レベルの歯止めの動きも本格化している。民主党は今回の空爆を「議会の承認なき違法な戦争」と規定し、追加の軍事行動を制限する決議案の採決を推進しているとされる。テス・ブリッジマン元ホワイトハウス国家安全保障会議(NSC)法務補佐官は「武器の保有はそれ自体で『差し迫った脅威』と同一視できない」とし、「政権の説明だけでは大規模な武力衝突の法的要件を満たすのは難しい」と指摘した。