米国がベネズエラに続きイランの最高指導者まで排除したことで、米国と敵対関係にあるキューバでは自国が米国の次の標的になり得るとの不安が広がっている。
2日(現地時間)、ニューヨーク・タイムズ(NYT)は「米国はキューバの中核同盟国であるベネズエラを攻撃し、いまや米国の大規模攻撃でイランの最高指導者が死亡した」とし、「多くのキューバ人が自分たちが次の順番になるかもしれないという不安に震えている」と報じた。
米国の次の攻撃対象がキューバになり得るというシグナルは米本土からも出ている。米政治専門メディアのザ・ヒルによれば、共和党所属のリンジー・グラハム上院議員(サウスカロライナ州)は1日、フォックスニュース「サンデー・ナイト・イン・アメリカ」に出演し、米国のイラン攻撃を称賛しつつ「次はキューバだ」と述べ、「キューバの共産主義独裁政権は崩壊する。その時代は終わった」と語った。
キューバは米国の制裁と圧迫の中で歴史上最悪の時期を過ごしている。ドナルド・トランプ政権が1月にニコラス・マドゥロ・ベネズエラ大統領を追放した後、ベネズエラからキューバへ向かっていた原油供給が中断されたためだ。これまで米国の制裁下で同盟国であるベネズエラ産原油に依存して辛うじて持ちこたえてきたキューバ経済は大きく揺らいでいる。
さらにキューバは最近、米国の攻撃を受けたイラン、ベネズエラとともに、米国が「不良国家」と認識する国に分類されてきた。トランプ大統領は、キューバ政府がロシア、中国、イラン、ハマス、ヒズボラなど複数の敵対国家および超国家的テロ組織と協力し、これらを支援していると継続的に主張してきた。
キューバの地域指導者の間では、米国のベネズエラ空爆に続いてイラン攻撃まで重なり、自分たちも攻撃対象になり得るとの不安が最高潮に達している。匿名のある地域指導者はNYTに「軍事侵攻が恐ろしい」と述べ、「国中が恐怖に包まれている」と語った。
キューバが手をこまねいていたわけではない。キューバは米国によるマドゥロ大統領の移送以後、軍事力を増強してきた。ミゲル・ディアスカネル・キューバ大統領は軍事訓練の強化を指示したとされる。しかしキューバの軍事力は米国に対抗するにはあまりに不足しているとの評価だ。カナダ王立軍事大学(Royal Military College of Canada)の歴史・戦略学名誉教授ハル・クレパクは、キューバの軍事装備の大半がソ連時代に導入した旧式装備だと指摘した。
キューバとワシントン間の秘密交渉を扱った書籍『キューバとの非公式交渉チャンネル(Back Channel to Cuba)』の共著者ピーター・コーンブルーは、最近のイラン指導者殺害事件はキューバ政府にとって「喉元に短剣を突き立てる格好」だとし、これはトランプ政権が外交交渉が進行中の状況でも強制的な政権交代を推進する可能性を示唆すると評価した。
ただし、トランプ政権は武力行使よりも経済制裁を通じてキューバ政権を圧迫しようとしている様子だ。ベネズエラ空爆後、トランプ大統領は「キューバは崩れる準備ができているように見える」とし「追加的な措置は必要ないと考える」と明らかにしたことがある。
キューバ系米国人であるフロリダ大学の歴史学者リリアン・ゲラは、キューバ当局者が不安に駆られているだろうとしつつも、「トランプ大統領がディアスカネルを殺害したり、ラウル・カストロを標的にしてキューバ政府を打倒する場合、強力な革命防衛隊が残っているイランと類似の状況が展開し得る」と分析した。