米連邦最高裁がドナルド・トランプ大統領の相互関税を違法と判断した一方で、国際社会で米国と締結した通商協定を覆そうとする有意な動きは生じないとの見方が出ている。
21日(現地時間)のフィナンシャル・タイムズ(FT)によると、国際通商の専門家は、各国政府がトランプ政権と結んだ通商協定を元に戻そうとする可能性は大きくないと分析した。
法的問題とは別に、依然としてトランプ政権が国際社会での交渉のてこを握っており、とりわけ防衛・安全保障協力といった非通商分野で米国の影響力が強大であるためだ。
前日、米最高裁は国際非常経済権限法(IEEPA)を根拠に賦課された関税に限って違法との判決を下した。通商拡大法232条と通商法301条に基づく▲自動車▲鉄鋼▲半導体▲医療用品など品目別関税は依然として有効であるため、基幹産業に対して高関税で報復が可能だとの指摘も出ている。
実際、欧州議会は米国との通商協定の批准延期の是非を議論する予定だが、自動車産業に加えウクライナ戦争など安全保障情勢まで勘案すれば、全面的な再検討に拡大することはないとの見通しが優勢だ。
サイモン・エバネット・スイス国際経営開発大学院(IMD)教授は「米最高裁判決はトランプ政権の脅しを弱めたというより、別の脅しに置き換えただけだ」と評価した。
ただし一部では、米最高裁判決を交渉に活用しようとする国家が現れる可能性も提起された。
シンクタンク、ブリッジ・インディアのプラティク・ダタニ設立者は「今回の判決がインドなど交易相手国の交渉力を高める」とし、「11月の中間選挙後に米議会の権力構図の変化を待つ国家は、交渉の速度を落とす可能性がある」とみた。
これに先立ちトランプ大統領は通商法122条を根拠に10%の全面関税を再賦課し、翌日にはこれを15%に引き上げる方針を示した。この措置は議会の追加承認なしで150日間有効である。