現金支払いに固執してきた日本の消費文化がついに分岐点を迎えた。日本の家計消費支出でクレジットカードの使用比率が史上初めて現金を上回った。長期にわたり続く物価上昇圧力の下で少しでも節約しようとする消費者がポイント還元の特典を積極的に活用したことが背景にある。インターネット通販が日常として確固たる地位を得たことも、決済手段の変化を早めたと専門家は述べた。
20日、日本経済新聞は総務省の家計調査を引用し、昨年の2人以上世帯が物品やサービスを購入する際にクレジットカードで支払った比率が36.3%を記録したと伝えた。一方で現金の支払い比率は35.3%にとどまった。関連統計の集計を始めた2020年の統計を見ると、当時は現金比率が43.1%に達し、カード比率は26.7%にとどまり相当な開きがあった。約6年で両決済手段の位置が完全に入れ替わった格好だ。
決済手段の逆転を導いた最大の原動力はオンラインショッピングの拡大である。日本の家計におけるインターネット通販の利用率は過去10年でほぼ倍増し、昨年は56.9%に達した。現金が使えないオンライン空間で購買する消費者が増え、クレジットカードの使用頻度は自然に高まった。
ここにインフレというマクロ経済環境の変化もクレジットカード拡大に火をつけた。カード会社は金融消費者をより多く獲得しようと、決済金額の一部を現金のように使えるポイントで還元する特典を競って拡大した。日本経済新聞は、物価が着実に上昇するなか支出負担を強く感じた日本の消費者がこうした「節約投資」ポイント特典に魅力を感じたと分析した。日常的な支出で少しでも金銭的な得を求める実用的な姿勢が、現金を好むという長年の慣習に打ち勝ったとの評価である。
日本社会のあらゆる分野で現金が消えたわけではない。家計調査を品目別に精査すると、消費者はカードと現金を明確に使い分けていることが分かった。交通や通信料金の分野ではクレジットカードで支払うケースが圧倒的に多かった。一方、近所のスーパーマーケットで毎日食べる食料品を買う場合や病院で診療費を支払う場合は依然として現金を使う人が半数を超える。これら分野の現金支払い比率は依然として50%から60%の間を行き来している。日本経済新聞は、医療と食品流通分野で現金決済比率が高い点を指摘し、今後電子決済システムを導入して業務効率を高める余地がそれだけ大きいと見通した。
一方、新たな決済手段として脚光を浴びたほかの電子決済方式は想定より伸びが鈍い。スマートフォン画面を提示するQRコード方式や地下鉄の交通系カードを活用した電子マネーの決済比率は、5年前の5.2%から昨年は5.9%への小幅な上昇にとどまった。伝統的な方式である銀行口座振替(振込)の比率も同期間に24.5%から22.3%へ縮小し、ほぼ同水準を維持した。結局、現金の使用頻度が減少した分をクレジットカードが大半吸収したという意味である。
クレジットカード比率が現金を上回ったとはいえ、全体的な無現金決済の比率でみるとまだ道のりは長い。日本のキャッシュレス推進協議会の資料によれば、2023年時点の韓国のキャッシュレス決済比率は実に99.1%に達する。事実上、生活経済の隅々で現金が姿を消した水準だ。中国もモバイルの簡便決済インフラを土台に83.3%を記録し、早くからキャッシュレス大国の地位を固めた。一方、日本は依然として39.3%にとどまった。日本政府が急ぎ2030年までにキャッシュレス決済比率を65%に引き上げるとしているが、これも他国に比べればかなり遅れている。