中国の地方政府が相次いで今年の経済成長率目標を引き下げる中、経済専門家は今年の中国の国内総生産(GDP)成長率目標が前年と同様の「5%前後」に設定される可能性が大きいと見込んだ。前年に達成できなかった消費者物価目標も今年は同一水準を維持しつつ、前年と差別化した消費支援策を打ち出す可能性も提起された。
中国の経済メディアである第一財経が最近公表したチーフエコノミスト調査によると、回答者は3月初めに開かれる全国両会(全国人民代表大会と中国人民政治協商会議)でこのような数値が提示される可能性が高いとみている。2035年までに経済総量または1人当たり所得を倍増させるという中長期目標や、各地方政府の成長率目標、直近3年の実質成長率の推移、今後のマクロ政策の方向性などを総合した判断である。
中国は新型コロナウイルスのパンデミックが終了した2023年から3年連続で成長率目標を「5%前後」と提示した。実質成長率は2023年5.2%、2024年5%、2025年5%でいずれも目標を達成した。
ただし先に中国の地方政府が今年の成長率目標を相次いで引き下げたことで、一部では国家の成長率目標も最低4.5%まで引き下げられる可能性があるとの見方も出ていた。米ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)は先月の報道で、今年の成長率目標を発表した中国の省級行政区20カ所のうち13カ所が前年より低い目標値を提示したと伝えた。その中には中国の製造業と輸出のハブである広東省と浙江省が含まれている。広東省は前年に5%前後の成長を目標に掲げたが、実際は3.9%にとどまり、今年は4.5〜5%へと目標を引き下げた。浙江省は前年に5.5%の成長目標を達成したものの、今年は5〜5.5%へと下方修正した。
持続するデフレーション(物価下落)問題に関しては、両会で2026年の年間消費者物価指数(CPI)上昇率目標を2%と提示する見通しだ。中国の2025年の年間CPI上昇率は0%で、当局の目標だった2%を大きく下回った。消費補助金を支援して需要を刺激し、消費回復と内需拡大を誘導しようとしたものの、効果は限定的だったとみられる。それでも今年に2%上昇という目標を維持するのは、当局が前年と差別化される追加の消費支援策を提示するというシグナルと解釈される。
今回の調査で公表されたチーフエコノミスト信頼指数は50.2と集計された。第一財経の信頼指数は消費者物価、小売売上高、鉱工業生産、対外貿易など主要経済指標を予測する独自調査である。50を基準に景気の拡張(50以上)と縮小(50以下)を区分する。第一財経によると、この指数は7カ月連続で50を上回っており、専門家が全般的に中国経済が緩やかな回復局面にあるとの認識を維持していることを意味する。第一財経は「経済学者は前年末に導入された政策が順次効果を発揮しており、2026年の経済の良好なスタートを下支えしていると評価した」と伝えた。
為替に関しては、2月末の人民元相場が1ドル=6.9元水準、年末には6.8元水準になるとの見通しが示された。先月末に2年8カ月ぶりに「1ドル=7元」の水準を割り込む中、当面はドル安と人民元の切り上げ基調が続き、人民元が急速に弱含みに転じる可能性は大きくないとの意味に解される。
総合すると、2026年の中国経済は前年と同じ成長目標を維持しつつ、高成長よりも安定成長と内需回復に軸足を置いた政策基調が続く見通しだ。リェン・ピン広開証券チーフアナリストは「2026年の成長は消費の増加、投資の回復、輸出の安定が主要な柱になる」と述べた。