中国が世界最大のクリーンエネルギー大国として地位を固めるなか、インドがその背後をより速いペースで追い上げているとの分析が出た。電化と電気自動車の普及速度で、インドが過去に同程度の所得水準にあった中国を上回っているという評価である.
11日(現地時間)CNNによると、気候・エネルギー系シンクタンクのエンバーは、最近公表した報告書でインドの電力転換の速度が過去の中国より急であると明らかにした。エンバーは現在のインドと1人当たり所得が近かった2012年の中国を比較基準に据えた。当時の中国の1人当たり所得は約1万1000ドル(約1500万ウォン)水準で、太陽光発電は事実上の初期段階であった。
一方で現在のインドでは、太陽光発電が総発電量の約9%を占める。屋上設置型から大規模メガソーラーまで急速に増え、インドは世界3位の太陽光発電国へと浮上した。電気自動車の普及も進展中である。インドでは自動車販売全体の約5%が電気自動車であり、特に電動三輪車の販売は世界最大規模だ。現在インドで販売される三輪車の約60%が電動である。
デリーで電動小型三輪車のリクシャを運転するプレム・チャンドはCNNに「燃料費を比較してみると電動三輪車の方がはるかに安かった」と述べ、「環境にも良く、財布にもメリットがある」と語った。大都市だけでなく農村地域まで電動三輪車が急速に広がり、インドの交通体系は急速に電化している。
もちろんインドが化石燃料から完全に脱却したわけではない。インドは今後20年間、石炭利用を増やす計画で、石油需要も増加している。ただしエンバーは、同じ開発段階の中国と比べるとインドの石炭消費は約40%水準にすぎず、輸送部門の石油需要も2012年の中国の半分の水準だと分析した。
インド転換の核心原動力はコストである。2000年代初頭までは石炭が太陽光よりはるかに安価だったが、現在は太陽光と蓄電コストを合算した価格が、新規石炭火力発電所の建設コストの半分水準まで低下した。太陽光パネル、風力タービン、電池価格の急落により、再生可能エネルギーが経済性でも優位を確保した。電池価格は2024年の1年だけで40%下落したとの分析もある。
クリーンエネルギーはインドのエネルギー安全保障戦略とも重なる。インドは石油の約90%、ガスの半分を輸入に依存する。再生可能エネルギーの拡大は、価格変動と地政学的リスクを抑える手段になり得る。最近のインドと欧州連合(EU)間の大規模な通商協定の締結も、このようなエネルギー・サプライチェーン再編の流れと連動している。
ただしインドも太陽光モジュールと重要鉱物のサプライチェーンで中国依存度が高いという限界を抱える。これに対しインド政府は太陽光モジュールの生産を過去10年で12倍に拡大し、重要鉱物の確保事業も推進中である。
専門家は、インドの事例が他の新興国にも影響を与え得るとみる。価格が急落した再生可能エネルギーと電化技術を活用し、化石燃料中心の発展段階を飛び越える「ジャンプ型転換」が可能だということだ。中国が化石燃料ベースの工業化を経て電化へ移行したとすれば、インドはより短い経路を選べるとの分析である。
エンバーは「世界のエネルギー秩序が再編されるなかで、新興経済国が電化中心の発展モデルへ移行している」とし、「これはグローバルなエネルギー覇権競争の軸を変え得る」と評価した。