自民党の日本総選挙での圧勝により、財政拡張を推進してきた高市早苗日本首相が政策の主導権を確実に握ることになり、市場では株価は上昇し国債価格と円相場は下落する、いわゆる「高市トレード」が再び勢いを増しかねないとの懸念が出ている。
9日NHKなどによると高市首相が率いる自民党は前日に実施された衆議院選挙で過去最多の議席を獲得した。自民党は今回の選挙で全465議席のうち、改憲案の発議ラインである全体の3分の2にあたる310議席を上回る316議席を占めた。戦後の日本政治史で特定の政党が単独で改憲ラインを超えたのは今回が初めてである。
選挙で圧勝したことで高市首相の自民党は憲法改正を除く法律や政策を野党のけん制なしに単独処理できる政治的な力を持つことになった。これにより高市内閣は拡張財政と成長優先の方針を掲げた経済政策を本格化させる見通しだ。既に高市内閣は「日本を強く豊かにするための予算」だとして2026会計年度(2026年4月〜2027年3月)の予算案を史上最大の122兆3092億円(約1144兆ウォン)で編成している。
このような政策方針は株式市場には肯定的に働く可能性が大きい。積極的な景気刺激策が株式市場への資金流入を促すとの期待からだ。野村アセットマネジメントのストラテジスト、スズキ・コウタはロイター通信に「行政府の基盤がはるかに安定し、経済政策を前進させることへの期待が形成されやすくなる」と述べ、「野党の協力を積極的に求める必要がなくなる分、ばらまき型の財政拡大への圧力も和らぐだろう」と語った。
既に選挙前の世論調査で自民党の勝利が有力だという結果が出ており、株価は選挙以前から上昇基調を示していた。選挙前最後の取引日だった6日の日経平均終値は5万4253円台で、高市首相が自民党総裁に選出される前の2025年10月3日と比べ約19%上昇した。選挙後最初の取引日であるこの日も日経平均株価は取引時間中に5万7000円を突破し、史上最高値を更新した。高市首相が戦略的投資対象に指名した防衛、人工知能、半導体分野などが代表的な恩恵業種とみなされる。
一方で長期国債価格は下落する可能性が大きい。財政支出拡大には大規模な国債発行が不可避であり、これは債券供給の増加につながって国債価格の下落と金利上昇を招きうるためだ。現在日本の国内総生産(GDP)比の政府債務比率は236%で先進国の中で最も高い水準であり、国債市場に構造的な負担として作用している。
財政悪化への懸念が強まり、日本国債金利は乱高下している。先に高市首相が財政負担が増す状況でも現行8%の食品に対する消費税率を2年間0%に引き下げると公約すると、日本の債券市場は即座に反応した。先月20日には一時、10年債利回りが年2.380%まで上昇し、27年ぶりの高値を記録した。ニューヨーク・タイムズ(NYT)は「高市首相は経済成長を促進するための攻撃的な政府支出プログラムを示したが、日本の巨額の債務水準への懸念も同時に呼び起こした」と伝えた。
円相場も弱含みの流れを続ける可能性が大きい。高市首相は先月31日の遊説で「円安だからといって必ずしも悪いわけではない。輸出産業には大きな機会になる」と語るなど、円安を容認する姿勢を示してきた。実際、昨年10月の高市首相就任以降、円相場は全体的に弱含みの流れを続けてきた。先月は米国との「為替点検(レートチェック)」の可能性が取り沙汰され一時的に円高となったが、その後再び弱含みに転じている。
岡三証券のチーフ金利ストラテジスト、ハセガワ・ナオヤは「高市が大勝した分、『高市トレード』が再び息を吹き返し、これは日本国債金利に上昇圧力をかけるという意味だ」と述べ、「円、株式、金利の動きは相互に影響し合う。円が急落すれば金利が上がる傾向がある」と語った。