ドナルド・トランプ米大統領が「世界経済の大統領」とも呼ばれる次期連邦準備制度(FRB)議長にケビン・ウォッシュ元FRB理事を指名し、米国の金融政策が新たな試練に直面したとの評価が出ている。ウォッシュはトランプ大統領が一貫して求めてきた利下げに一定程度共感を示してきた一方で、同時にFRBが金融危機以降に過度に肥大化したと公然と批判してきた人物である。

このためウォッシュ体制のFRBは政策金利を引き下げるとしても、過去のように大規模な資金供給には踏み込まない可能性が高いとの分析がある。結果として金融市場と借り手にとっては体感的に以前よりも負担の大きい中央銀行になり得ると専門家は分析した。

ケビン・ウォッシュ新任FRB議長。/聯合ニュース

① 政策金利は下げる…景気負担の緩和に軸足

ウォッシュは最近の寄稿と公開発言を通じ、ジェローム・パウエル現FRB議長が金融政策の転換時期を逸したという趣旨の批判を続けてきた。景気減速のシグナルが積み上がる中で政策金利を高水準に長く固定したことが家計と企業の負担を増やしたとの判断である。これは、ウォッシュが現在の経済環境だけを見れば短期の政策金利を引き下げるのが妥当だとみていることを示唆する。

FRBの政策金利であるフェデラルファンド金利の誘導目標レンジは2024年中盤に5.25〜5.50%でピークを維持した。その後、昨年下半期から引き下げが始まり、12月時点で3.50〜3.75%に低下した。今年最初の会合だった先月の会合でもこの水準を維持している。ウォッシュが問題視してきた「高金利」とは、このようにインフレ率を上回る政策金利が長期にわたり維持され、実質金利がプラス圏にとどまる局面を指す。これは歴史的にも家計の借入や企業投資に負担を与える水準と評価されてきた。

ウォッシュの三段公式

実際、この期間に米住宅市場は取引量が目に見えて萎縮した。企業も社債発行や借入コストの上昇を意識し、投資判断を先送りする例が増えた。ウォッシュはこの流れについて、政策金利が景気状況に比べ過度に高い水準で維持されたとの認識を示してきた。こうした見方は、過去1年ほどFRBに対して利下げを公然と迫ってきたトランプ大統領の要求とも重なる。市場で、ウォッシュが就任初期にまず政策金利の引き下げに動く可能性が小さくないとの見方が出ている背景だ。

ただし、これはウォッシュが金融政策の基本姿勢を全面的に修正するという意味には解釈されない。ウォッシュは金利を景気状況に応じて調整できる手段とみるが、金利調整だけで経済の体質が変わるわけではないという認識を明確にしてきた。

② 金利調整より流動性の縮小に軸足

ウォッシュは政策金利よりも、市中に供給された流動性の規模を一貫して強調してきた。金融危機以降、FRBは国債と住宅ローン担保証券(MBS)を大規模に買い入れて景気を下支えした。この過程でFRBのバランスシートは急速に膨張した。FRB資産は金融危機前には1兆ドルにも満たなかった。しかしパンデミックを経て2022年時点で約9兆ドルまで拡大した。最近一部資産を縮小したものの、なお約6兆5000億ドル水準を維持している。

FRBはどれほど巨大化したか

ウォッシュは、金融危機後にFRBが資金供給のために大規模な債券買い入れを実施した措置は短期的には市場を安定させたが、長期的には新たな負担を残したと主張した。ウォッシュはFRB理事在任中の2010年の演説で「FRBが債券を買い続けて資金を供給する政策はタダの選択肢ではない」と警告した。当時ウォッシュは量的緩和第2弾(QE2)に言及し、ドル価値の下落や商品価格の上昇など物価シグナルが再び強まる場合には、失業率が高くても政策の方向性を再点検すべきだとの立場を示した。これは、ウォッシュが景気刺激のための金融緩和自体を否定するのではなく、中央銀行が過度な債券買い入れで資金を供給する際に伴う副作用を早くから警戒していた証左である。

ウォッシュの構想は、政策金利を下げるとしてもFRBが保有債券を市場に戻して資産規模を縮小することに軸足を置く。FRBが債券を売却すれば、その債券を購入する金融機関や投資家の資金がFRBに移動する。FRBに入った当該資金は当面、市中に放出されない。その分、市場を回る流動性(資金)量が減少する効果が生じる。ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)は、現在のFRB負債構造では銀行がFRBに預ける準備金が約3兆ドルに達し、この準備金体制が金融政策の伝達に重要な変数として作用していると分析した。ウォッシュはこの構造自体がFRBを過度に肥大化させたとみる立場に近い。

③ 政策金利を下げても、貸出金利は上がり得る

政策金利はFRBが直接決定する金利である。一方、住宅ローン金利や企業向け貸出金利といった市場金利は国債を含む債券価格に連動する。FRBが債券を大規模に売却すれば債券の供給が増え、債券価格には下押し圧力がかかる。債券価格が下がれば利回り、すなわち金利は上がる。この国債金利がモーゲージ金利や企業の資金調達コストの基準として機能する。

FRBの債券売却

その結果、政策金利が引き下げられても、家計と企業が実際に負担する貸出金利がむしろ上昇する状況が起こり得る。WSJは、過去にFRBが資産縮小に踏み切った際に国債利回りが急騰して金融市場が大きく揺れた前例に言及し、今回も同様のボラティリティが再現され得ると警告した。とりわけFRBが現在運用する「十分な準備金」体制では、資産縮小の過程が過去よりも敏感に市場に影響を及ぼす可能性があるとの分析も出た。

こうした見方から、ウォッシュ体制のFRBは金融市場が動揺するたびに直ちに金利を調整したり資金を供給したりする役割を縮小する可能性があると専門家は評価した。ウォッシュは、中央銀行が相場下落を繰り返し食い止めれば、かえって投資家がリスクを軽視し資産価格のバブルが膨らみ得ると述べた。アーロン・クライン・ブルッキングズ研究所上級研究員は「ウォッシュはFRBの介入範囲を明確に区切ろうとする傾向が強い人物だ」と語った。

それでもトランプ大統領がウォッシュを選んだ背景には政治的計算があるとの解釈が少なくない。ウォッシュは他の候補の中で、FRBの肥大化と官僚主義を一貫して批判してきた唯一の人物だ。FRBの役割縮小を望むトランプ政権の方針と一定部分で重なる。同時に元FRB理事という経歴は、FRBの独立性毀損への懸念を一定程度和らげる効果も生む。

PBSは、ウォッシュ指名をめぐり市場と専門家の間で「慎重な安堵感」が広がったと伝えた。これは、ウォッシュが従来と異なる処方を提示する可能性は高いが、FRB内部に通じる人物であるため制度の枠内で変化を試みるだろうとの期待を反映する。ウォッシュが短期的なショック療法よりも、FRBの構造と役割を段階的に見直そうとする人物として認識されているという意味だ。

WSJはウォッシュについて「利下げとFRB資産の縮小を同時に押し進めようとする稀有な組み合わせを試みる」と評価した。ブルッキングズ研究所も「ウォッシュは中央銀行が市場をどこまで支えるべきかについて明確な一線を持っている」と分析した。専門家は、こうした政策の組み合わせが成功すれば、FRBの役割をより限定的かつ原則的な方向へと戻すことができると予測した。

逆に、国債利回りの急騰や金融市場のボラティリティを高める場合には、今後FRBが負う政策上の負担が急速に増す可能性があるとした。結局、ウォッシュ体制のFRBの成否は、どれだけ早く利下げするかという点よりも、FRBが市場介入の範囲をどこまで縮小できるかにかかっているということだ。

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