カナダの原油産業が対立が生じている米国への依存度を下げるために輸出先を多角化した結果、過去最高水準の好況を享受していることが分かった。ベネズエラの原油市場開放によりカナダ産原油の需要が減少する可能性があるとの懸念も和らいでいる。
27日(現地時間)、英フィナンシャル・タイムズ(FT)は「カナダ原油産業、中国向け販売量急増に支えられ好況」との見出しの記事で「カナダ企業は世界の原油安にもかかわらず記録的な生産量を達成し、株主リターンを高めている」と伝えた。
カナダ政府によると昨年上半期の原油生産量は1日519万バレルで過去最高を記録した。これを追い風に、サンコア・エナジー、カナディアン・ナチュラル・リソーシズ、インペリアル・オイル、セノバスなどカナダ主要原油生産企業の株価も10年ぶりの高値に接近している。
カナダ原油産業の好況の主因としては輸出先の多角化が挙げられる。これまでカナダ産原油の大半は米国に輸出され、米国の精製設備の約70%がカナダ産重質油を処理するよう設計されてきた。
このような構造は両国関係が悪化する中でリスク要因として浮上した。ドナルド・トランプ政権の発足以降、米国とカナダ間の対立が高まると、カナダは米国への依存を減らすため輸出市場の多角化を加速し始めた。昨年11月、カナダの産油地であるアルバータ州北部からブリティッシュコロンビア州西部の太平洋沿岸までを結ぶパイプライン建設に向けた覚書(MOU)を締結したのが代表例である。
当時マーク・カーニー・カナダ首相はMOU締結の知らせを伝え、「カナダをエネルギー超大国にし、排出量を削減すると同時に輸出市場を多角化する」と明らかにした。その後カナダはアジア、とりわけ中国を中心に原油輸出の拡大に積極的に乗り出した。
その結果、バルチック海運協議会(BIMC)の海運データ分析によれば、昨年の中国向けカナダ産原油の販売量は前年に比べ4倍以上増の8870万バレルを記録した。これは同期間の米国の対中原油輸出量が61%減の3900万バレルにとどまったのと対照的である。
トロント証券取引所のエネルギーおよび多角化産業部門のグローバル責任者であるデービッド・チェリチッチは「今はカナダのオイルサンド産業にとって最良の時期だ」と述べ、「われわれは今や中国や韓国、インドにまで石油を輸出している」と語った。
カナダが輸出の多角化に成功し、米国のベネズエラ石油市場の開放によってカナダが大きな打撃を受け得るとの懸念も次第にしぼみつつある。カナダ産原油はベネズエラ産重質油(メレイ・Merey)と成分が類似しており、米国の石油輸入の約60%を占めてきたカナダ産原油の支配力が弱まるとの見方が出ていた。
FTは「カナダ石油産業は米国向け販売への依存を減らすためアジア市場に進出し、好況を享受している」とし、「これはベネズエラ産原油の供給急増がカナダ産原油の需要を減少させ得るとの一部アナリストの懸念を打ち消す結果につながっている」と評価した。
一部では、カナダ産原油はベネズエラ産よりむしろ競争優位を有しているとの分析も出ている。カナダのマクドナルド・ローリエ研究所のエネルギー・天然資源・環境担当ディレクターであるヘザー・エクスナー・ピロトは、不確実性が高まる国際環境の中でカナダは石油の買い手にとって相対的にリスク負担が少ない選択肢だと評価した。ヘザー・エクスナー・ピロトは「カナダの生産者は信頼性というブランドイメージを持っているが、ベネズエラはそうではない」と述べた。