米連邦政府が再びシャットダウンの危機に追い込まれた。昨年43日間続いた史上最長のシャットダウンが終わってからわずか2カ月余りだ。今回はミネソタで発生した連邦移民取締局の捜査官による銃撃事件が予算交渉を凍り付かせた。上院民主党が国土安全保障省の予算案処理に協力しないと宣言し、30日深夜に予定された予算期限がワシントン政局の導火線として浮上したと主要メディアは伝えた。
危機の発端はミネソタ州ミネアポリスで発生した。24日、移民取り締まりの過程で連邦捜査官が放った銃弾で市民のアレックス・ジェフリー・プレティが死亡した。今月初めのルネ・グッド死亡事故から1カ月も経たないうちに発生した2件目だ。民主党はこれを公権力濫用の問題と位置付け、対応の強度を引き上げた。
上院民主党指導部は国土安全保障省(DHS)予算を含む歳出法案に協力しないと明らかにした。国土安全保障省の予算は約644億ドル(約94兆ウォン)で、このうち移民税関捜査局(ICE)の運営費が約100億ドル(約14兆5,500億ウォン)を占める。チャック・シューマー民主党上院院内総務は「ICEの濫用を抑制する改革案が拒否された」として予算案処理の保留を公式化したと、政治専門メディアのアクシオスは伝えた。
米連邦政府は各会計年度ごとに12本の歳出法案を処理してこそ正常運営が可能だ。今年はこのうち半分の6本だけが先に可決された。農務省・商務省・司法省など政治的な争点が少ない府省の予算だけを優先合意した。
一方で国防総省、国土安全保障省、教育・保健・労働・運輸各省の予算は移民政策や福祉、国境統制の問題が絡み、合意が先送りされた。議会はこれら6つの予算を一括処理することにし、暫定的に予算執行を認める暫定合意を結んだ。その有効期限が30日深夜だ。
この期限までに上院が最終予算案を通過させられなければ、まだ予算が確定していない府省だけが運営停止となる。すでに予算が可決された府省は通常稼働するため、今回の危機は政府全体が止まる「全面シャットダウン」ではなく「部分シャットダウン」に当たる。
国土安全保障省とICEは治安・安全保障機能に分類される。シャットダウンが発生しても中核業務は継続される。実際、昨年のシャットダウン当時もDHS所属の人員の大半は勤務を続け、給与は事後に支給された。
それでも民主党が予算採決を阻む理由は、予算承認を条件にICEに対する統制・監督の仕組みを制度化しようという思惑があるためだ。ワシントン・ポストは、民主党が逮捕令状の要件強化、身元表示の義務化、訓練・監督の強化といった措置を予算案に盛り込むべきだとの立場を示したと伝えた。
30日までに上院で予算案を可決できなければシャットダウンが再び現実化する。この場合、経済的な衝撃は避けられない。米議会予算局(CBO)は昨年43日間続いたシャットダウンによる経済損失を110億ドル(約16兆ウォン)以上と試算した。このうち約30億ドル(約4兆4,000億ウォン)は回復しない恒久的な損失として残った。
シャットダウン期間中は毎週の実質GDP成長率が約0.12ポイントずつ低下するとの分析も出た。約80万人に上る連邦公務員の給与支払いが停止または遅延し、政府調達と行政手続きが止まれば消費と投資が萎縮する。航空管制や国境警備といった必須機能は維持されるが、行政の遅延が物流と金融市場に不確実性を高める可能性がある。
実際、シャットダウン懸念が強まるなかで債券市場は敏感に反応した。25日(現地時間)時点で米10年物国債利回りは約4.22%台で推移した。1カ月前より約0.10ポイント高い水準で、シャットダウンリスクが織り込まれ長期金利の変動性が拡大する流れを示している。一部では政治的な行き詰まりが繰り返されれば、国際格付け会社が米国の信用格付けを改めて問題視する可能性も取り沙汰される。
政治的な波紋も小さくない。11月の中間選挙を前に民主党は移民取り締まりの問題を中核争点に押し上げている。一部のリベラル系議員はICE予算の全面削減を主張した。一方で民主党内の一部穏健派議員は、シャットダウンが再発すれば選挙区の予算や災害対応に打撃を与え得るとして懸念を示した。
共和党は民主党が国家安全保障を政争に利用していると反発した。トランプ大統領は銃撃事件を正当防衛と規定し、支持層の結集に動いた。与野党ともに妥協よりも責任のなすり合いと鮮明さの競争に重心を置く雰囲気だ。
上院は大雪の影響で27日にようやく再招集される予定だ。期限まで残る時間は72時間余りだ。民主党が求める国土安全保障省予算の切り離し処理に、共和党指導部が応じる可能性は高くない。下院はすでに休会に入り、物理的な時間も足りない。
CNBCは「最近の予算対立では両党が交渉するよりも、シャットダウンを政治的な圧力手段として使う傾向が鮮明になっている」とし、「こうした手法が繰り返されれば、シャットダウンが企業の投資と雇用、消費マインドに及ぼす否定的な影響が以前より大きくなり得る」と分析した。