来月のバングラデシュ総選挙を前に、米国が同国最大のイスラム主義政党で強硬派の「ジャマアテ・イスラミ(Jamaat-e-Islami・ジャマアテ)」との今後の協力可能性を探っていることが分かった。
22日(現地時間)、ワシントン・ポスト(WP)は、在バングラデシュ米国大使館所属の外交官が12月に首都ダッカで記者らと会い、この計画を明らかにしたと報じた。新聞が入手した録音記録によれば、この外交官は「バングラデシュがイスラム志向に傾いている」とし、「ジャマアテは今回の総選挙で歴代級の成績を収めるだろう」と見通したとされる。
ジャマアテ党は、インド亜大陸が英国の植民統治下にあった1941年、思想家サイイド・アブル・アラ・マウドゥーディーによって設立された強硬なイスラム主義団体にルーツを持つ。現在はパキスタンやインド、アフガニスタンでも関連組織が活動しており、彼らはイスラム法シャリアに基づく統治や女性のベール着用の義務化などを主張している。
これまでジャマアテ党はバングラデシュ政界で辺境にとどまってきた。政党は1971年のバングラデシュ独立過程で宗主国であるパキスタンを支持する準軍事組織を結成し、数千人の民間人を射殺した。このことを契機に、独立直後から約7年間、活動が禁止された。
2009年にシェイク・ハシナ首相が2度目の政権を開始すると、党の活動余地はさらに狭まった。首相は就任直後に戦犯裁判所を設立し、ジャマアテ党をはじめ過去に独立に反対した主要人物らを訴追して厳罰に処し、活動が萎縮した。当時、政党の最高指導者であるジェルワル・フセイン・サイエディには死刑判決が下され、ジャマアテ党は党綱領が違憲だという理由で政党登録が取り消される事態にもなった。
しかし2024年にハシナ政権が崩壊し、ムハンマド・ユヌスの過渡政府が発足すると、党の活動に道が開かれた。来月12日の総選挙でジャマアテ党は17年ぶりに出馬する予定であり、シャフィクル・ラフマン党代表は第1野党であるバングラデシュ民族主義党(BNP)との連立政権の構想に言及し、宗教関連の争点は前面に出し過ぎないなど外延拡大に動いている。
直前与党アワミ連盟(AL)の長期独裁に倦んだ有権者が代案を求めると予測されるなか、ジャマアテ党は過去最多の議席を獲得するとの見方が出ている。アルジャジーラによれば、ジャマアテ党の支持者は2,000万人に達し、そのうち約25万人が正式党員だとされる。
政治専門家も、ジャマアテ党が今回の総選挙で主流に編入される可能性が高いと見ている。バングラデシュ情勢に通じるムバシャル・ハサン、ウェスタンシドニー大学政治学科教授は「ジャマアテはもはや辺境勢力ではない」とし、「選挙運動の期間、この党は大いに勢いを増したように見える」と診断した。
これを受け、米国はジャマアテ党との接触を拡大している。昨年、党指導部はワシントンで複数回にわたり米政府関係者と会合を持ち、最近では通商代表部(USTR)の高官ともオンラインで会合したとされる。
もっとも、こうした接触が冷え込んだ米国とインドの関係を一段と悪化させるとの懸念も出ている。これまでもインド政府はジャマアテをパキスタンと連携した安全保障上の脅威と見なしてきたうえ、ハシナ首相の亡命受け入れなど前任のAL政権を支持しているためだ。
マイケル・クグルマン、アトランティック・カウンシル上級研究員は「インドとの関係がすでに凍り付いていることから、米政府は『管理可能な』イスラム政治勢力とのチャネル確保に動いたようだ」としつつも、「ジャマアテ党との接近は、すでに悪化した両国関係をさらに難しくしかねない」と警告した.