米国の殺人事件発生率が1年で20%以上減少するなど、全般的な犯罪率が低下したことが明らかになった。米主要都市に州兵を投入するなどドナルド・トランプ政権が大規模な移民取り締まりに乗り出した結果とみられる。
22日(現地時間)米シンクタンクの刑事司法委員会(CCJ)が過去8年間に月別犯罪統計を報告した米40都市の資料を分析した結果、昨年の全体犯罪率は前年比で減少したと集計された。13の主要犯罪のうち11の犯罪で発生件数が前年より減り、このうち9つの犯罪は減少幅が10%を超えた。
具体的には殺人事件は21%減少し、銃器関連の暴行事件は22%、強盗は23%、車両強奪は43%それぞれ減少するなど、大半の凶悪犯罪の発生率が急減した。これにより、凶悪犯罪の発生件数は犯罪率がピークだった2019年以降低水準を記録したことがわかった。
まだ米連邦捜査局(FBI)の公式犯罪統計は発表されていないが、CCJ報告書と類似した結果が出るとの見方が支配的だ。CCJは「年末にFBIが全国単位の殺人事件統計を発表する場合、2025年の殺人事件発生率は人口10万人当たり約4.0件まで下がる可能性が極めて高い」とし、「これは1900年以降の法執行および公衆衛生データで記録された最も低い数値であり、単一年度ベースでは最大の減少幅となる」と展望した。
トランプ政権は犯罪率の低下を自らの政策成果として強調している。キャロライン・レビット米大統領報道官はソーシャルメディアのエックス(X)にCCJのデータを掲示し、「暴力犯罪者と最悪の不法移民を逮捕するために連邦法執行機関を総動員する大統領がいる時に現れる結果だ」と評価した。
ホワイトハウスも公式ホームページを通じて「トランプ大統領の指導の下、米国は100年ぶりに最も安全な国になっており、新たなデータがこれを立証している」とし、「こうした画期的な変化は、米国を再び安全な国にするというトランプ大統領の確固たる意思に由来する直接的な結果だ」と明らかにした。
トランプ大統領は一昨年の大統領選挙過程で犯罪、特に移民関連犯罪の根絶を中核公約に掲げた。就任後は米移民税関捜査局(ICE)を動員して大規模な移民取り締まりに乗り出し、主要都市に州兵を投入するなど強硬な措置を講じてきた。
実際にトランプ大統領が州兵を投入したワシントンD.C.の殺人事件発生率は40%減少し、関連統計を提供した35都市のうちデンバー(-41%)に次いで2番目に大きい減少幅を記録した。このほかロサンゼルス(LA)、バッファロー、アルバカーキ、ロングビーチ、アトランタ、ボルティモア、シカゴなどでも殺人事件発生率がいずれも30%以上減少したことが判明した。トランプ政権は昨年、LAやシカゴなどにも州兵を配備した経緯がある。
ただし、犯罪率低下の原因をめぐる評価は割れている。保守系メディアのフォックスニュースは「昨年、米国全域の殺人事件発生件数が史上最低を記録したが、これは新型コロナのパンデミック以降に暴力犯罪が急増し、左派指導者が警察予算の削減や常習犯の無保釈釈放などの政策を推進した後に表れた劇的な反転だ」とし、「大統領が直接介入した後、ワシントンD.C.の犯罪率が目に見えて減少した」と報じた。
一方、リベラル系のメディアであるニューヨーク・タイムズ(NYT)は「独自調査の結果、移民収容者のうち暴力犯罪の前科がある人は7%にとどまった」としつつ、「専門家はトランプ大統領が昨年の犯罪率減少の直接の責任者だという主張を裏付ける根拠はほとんどないと述べた」と伝えた。
バイデン政権時代に司法省統計局長を務め、現在はマイアミ大学で犯罪学を教えるアレックス・ピケロ教授はNYTに「州兵が配備されていない都市の中でも犯罪率が減少したところが、むしろ州兵が投入された都市よりはるかに多い」と語った。
ワシントン・ポスト(WP)も独自分析の結果、犯罪率の低下が確認されたと伝えながら、「民主党所属の市長や一部の犯罪学者は、前大統領であるジョー・バイデン在任時期に始まった犯罪の減少が、バイデン政権がパンデミック期間中にコミュニティ基盤の暴力介入と統合的社会福祉サービスに大規模投資した政策と関係しているとみている」と報じた。