国家元首同士の秘密の連絡は国際秩序を支える見えざる柱である。表向きは厳しい非難を応酬しても、水面下では秘匿されたメッセージで妥協点を探り破局を回避してきた。
20日(現地時間)、ドナルド・トランプ米国大統領が長年の外交タブーを破った。トランプ大統領はこの日、エマニュエル・マクロン仏大統領をはじめとする欧州首脳らと交わした私的な携帯電話のテキストメッセージを自身のソーシャルメディアにそのままキャプチャーして公開した。
トランプ大統領はこの日、米東部時間の午後3時ごろ、自ら運営するソーシャルネットワークサービス「トゥルース・ソーシャル」に相次ぐテキストメッセージのキャプチャー画面を掲載して公開した。専門家は、このテキストメッセージが米国の非営利団体シグナル財団が2014年にリリースしたシグナル・メッセンジャーを通じてやり取りされたと推定した。
メッセージを見ると、マクロン大統領はトランプ大統領を「私の友人」と呼び親近感を示して会話を始める。しかし内容は鋭かった。マクロン大統領は「大西洋を隔てた意思疎通について、そしてグリーンランド、ガザ、ウクライナ問題とあなたの関税発表について話したい」と切り出した。
マクロン大統領のメッセージは次第に直截的になった。マクロン大統領は「あなたがグリーンランドで何をしようとしているのか理解できない」と書いた。トランプ大統領が推進するグリーンランド買収構想を正面から批判した。
それでもマクロン大統領は融和策を忘れなかった。ダボス会議直後にパリでロシアを含む拡大G7会合を開こうと提案し、トランプ大統領を夕食に招待した。国際的孤立を懸念するトランプ大統領の心理に切り込み対話の場へ引き出そうとしたマクロン大統領の外交的駆け引きがそのまま表れた場面だと専門家は評価した。
しかしトランプ大統領はこの密談を大衆に公開し、マクロン大統領の面目を完全に潰した。トランプ大統領はこの日メッセージを公開する直前、フランス産ワインとシャンパンに200%に達する関税を課すと脅した。フランスがトランプ大統領主導の平和委員会への合流を拒んだ直後だった。
トランプ大統領はこの日、記者団との場で「マクロン大統領はまもなく任期を終える予定だ」とし、「委員会に入ろうが入るまいが関係ないが、200%の関税が適用されれば結局は引き返すことになる」と嘲るように警告も発した。トランプ大統領はマクロン大統領のほか、マルク・リュッテNATO事務総長と交わした会話内容も相次いで公開した。
外交史で首脳間の非公開連絡をこれほど露骨に大衆にさらした例は見つけにくい。非公開チャネルは、首脳が国内政治を意識せず率直に譲歩と折衝を模索できる最後の砦である。過去の冷戦期、ケネディとフルシチョフは一触即発の核危機の中でも非公開書簡をやり取りし信頼を築いた。
専門家は、トランプ大統領が外交界で暫定的に認められてきたこの安全装置を解体してしまったと評価した。首脳間の対話がいつでも大衆に公開され得るという恐れは、国際外交の基本前提である「信頼」を根底から揺るがす。私的な連絡内容を公開され面子を失った相手国首脳は、敵対心を抱く可能性が大きい。
一部では、あらゆる言葉が国内政治向けに裁断されることを懸念した首脳らが、強硬かつ形式的な公式声明のみを出すようになるとの見方が出た。この場合、妥協の余地は消え、実務外交は麻痺せざるを得ない。グリーンランド、イラン、ベネズエラをまたぐ議題が山積する現在の国際情勢に大きな逆風として作用し得る。
政治専門メディアのポリティコは「トランプが首脳らと交わしたテキストメッセージをスクリーンショットで共有する行為は、各国首脳がどのようにトランプを懐柔しようとしているのかを赤裸々に示す前例のない場面を提供した」と伝えた.