中国政府が出産を「愛国行為」と位置づけ、各種政策で結婚と出産を奨励するなか、昨年の中国の出生率が過去最低水準を記録したことが明らかになった。
19日、中国国家統計局が発表した資料によると、昨年の中国の出生数は792万人で、前年(954万人)比で約17%減少した。人口1000人当たりの出生数は5.63人であり、これは1949年の中華人民共和国成立以降の最低値に当たる。
中国の総人口は1年で339万人減の14億489万人となり、2022年以降で最大の減少幅を示した。死亡者数は2024年の1093万人から昨年は1131万人へ増加した一方、新生児は同期間に954万人から792万人へ減少した。
これにより中国は4年連続で死亡者数が新生児数を上回る「自然減」局面を継続することになった。この趨勢が続けば、2035年には60歳以上の人口が4億人に達する見通しだ。
専門家は中国の合計特殊出生率が相当程度低下したとみている。合計特殊出生率は女性1人が出産可能年齢期間に産むと期待される平均出生児数であり、国家の人口総量を維持するには2.1が必要だ。実際に中国の合計特殊出生率は下落を重ね、2022年には1.07にまで低下した。昨年の中国の合計特殊出生率も1を下回ったと推定される。
これに先立ち中国指導部は出生率引き上げに向けて多様な措置を講じてきた。2023年、習近平国家主席は「新しいタイプの結婚・出産文化を積極的に育成せよ」と指示し、これを受けて地方政府は女性の生理周期を管理し中絶縮小の指針を打ち出すなど強硬な政策を実施してきた。
今月1日からコンドームや経口避妊薬などに13%の付加価値税を課したことも、こうした政策の延長線上にあると解される。
ただし人口学者は、中国はすでに「人口減少の敷居」を越えており、政策でこれを逆転させるのは事実上不可能だとの立場だ。カリフォルニア大学社会学科のワン・フェン教授は「他国の事例を見ても金銭的インセンティブが出生率を高める効果はほとんどない」と評価した。
若い世代が出産をためらう最大の理由は経済状況にあるとみられる。中国経済は2025年に5%の成長率を記録したが、若年層は不動産危機と高い失業率により安定的な所得の確保が難しい。昨年10月時点の中国の若年失業率は17.3%で、全体の失業率(5.1%)の3倍を上回った。
一部では若年層の間で結婚そのものを避ける雰囲気が蔓延しているとの分析も出ている。当局はお見合いの成立時に現金を支給する案まで示したが、結婚を望まない若者が増え、政策は目立った成果を上げていないという。
北京のある結婚仲介業者の関係者は「お見合いイベントに繰り返し参加するのは大半が男性だ」とし、「若い世代は結婚と出産を人生の必須段階とは見なしていないようだ」と説明した。