約150年の歴史を持つ米高級百貨店のサックスグローバルが資金難を克服できず、企業再生手続きに入った。米百貨店業界で売上高ベースの順位はメイシーズ、コールズ、ノードストロムに次いで4位を占めてきたサックスの破産申請の知らせに、業界は衝撃に包まれた。
14日(現地時間)、ブルームバーグ通信などによると、サックスグローバルエンタープライズは同日声明を出し、テキサスの裁判所に破産保護(チャプター11)を申請したと明らかにした。サックスは併せて、百貨店の正常運営のため約17億5000万ドル(約2兆6000億ウォン)の資金調達も確保したと伝えた。
サックスは1867年、アンドルー・サックスとイザドア・サックスの兄弟がワシントンDCに紳士服店を開いたことから出発した。のちにニューヨーク5番街に本店を開き、この一帯をショッピング中心地へと成長させるのに寄与した。幾度もオーナーが替わったが、サックスは長らく米国を代表する高級百貨店として評価されてきた。
しかし2020年代に入り、サックスの経営は急速に揺らぎ始めた。ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)によると、サックスはパンデミックが終盤に差しかかった2023年からサプライヤーへの代金支払いに苦しんだ。その後、一部の供給業者が出荷数量を減らすか、あるいは納品を打ち切ったことで、サックスは売上拡大にも大きな支障を来した。
ここに2024年のニーマン・マーカス買収が決定打となった。サックスは当時、ニーマン・マーカスを26億5000万ドル(約3兆9000億ウォン)で買収するため大規模な社債を発行した。買収当初は75の百貨店と100のアウトレット店舗を抱える「高級の恐竜」になるとの見方が出たが、結局1億ドルを超える社債利払いに耐えられず、破産手続きに入ることになった。
AP通信は「サックスがニーマン・マーカスを買収すると明らかにした当時の目標は、細分化が進む高級市場で強力な恐竜企業をつくることだった」としつつも、「しかしこの買収は、高級消費が鈍化するなかで、すでに重かったサックスの負債を一段と膨らませただけだ」と評価した。
サックスグローバルはサックス・フィフス・アベニューの店舗33カ所と、ニーマン・マーカスの店舗約36カ所を保有している。このほかバーグドルフ・グッドマンやサックス・オフ・フィフスなどを含め、約80店舗を運営中である。サックスは破産手続きの一環として「長期的な成長潜在力が最も大きい分野に資源を集中するため、事業運営全般を再検討している」と明らかにした。
ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)は「サックスはパンデミック以後、破産保護申請(チャプター11)を行った最も著名な百貨店チェーンになった」とし、「サックスの没落はファッション業界全般に大きな衝撃を与え、供給業者は損失を回収できるかについて不安を感じている」と伝えた。
足元で百貨店業界の全般的な状況も容易ではない。グローバルコンサルティング企業のベイン・アンド・カンパニーが昨年11月に発表した報告書によると、景気不安で消費者が支出を抑制しており、世界の高級品販売は2年連続で減少する見通しだ。これを受け、米百貨店の巨人メイシーズは収益性回復のため年初に14店舗の追加閉鎖を決定しており、カナダで最も古い企業であるハドソンズ・ベイはすでに昨年、破産保護手続きに入った。
サックスの破産で供給業者が被る打撃も避けられない見通しだ。ファッション供給業者に信用保証を提供するヒルダン・コーポレーションの最高経営責任者(CEO)であるゲイリー・ワスナーは「業者はすでに生産を終えた春シーズン商品の出荷をめぐり極度に緊張している」と述べ、「昨年4四半期に生産した数量さえ出荷を完了できず、在庫を抱え込んでいる状況だ」と語った。サックスは一部サプライヤーの売上の約40〜50%を占めるとされる。