経済難で火が付いたイランの反政府デモが2週間を超えて激化し、死傷者数が急増している。
デモ14日目に当たる11日(現地時間)、ノルウェー拠点の市民団体イラン人権(IHR)によると、この日までに把握された死者は少なくとも192人となった。同団体が9日に発表した51人から約4倍に跳ね上がった数値である.
IHRは、イラン当局が現地でインターネットと通信を60時間を超えて遮断した点を指摘し、「未確認の報告によれば、一部の消息筋は2000人以上が死亡した可能性も提起している」と伝えた。
続けて同団体は、9日と10日の2日間に死者が集中的に発生し、首都テヘランのある遺体安置所では犠牲者の遺体が数百体目撃されたとの証言が出たと伝えた。
米国拠点の人権活動家通信(HRANA)は、市民490人、軍警48人など計538人が死亡し、1万600人以上が拘束されたとみられると集計した。これも前日の推計値(116人)に比べ5倍に増えた。
マムード・アミリモガダムIHR理事は「全国的にインターネットが遮断されて以降、発生しているデモ隊の虐殺は、われわれが想像するよりはるかに広範囲である可能性がある」とし「国際社会はこれを止めるために可能なあらゆる手段を総動員せよ」と訴えた。
先にイラン当局は先週からインターネット・通信などを遮断する一方、一部地域に神政体制護持の先兵であるイスラム革命防衛隊(IRGC)地上軍を投入し、デモ鎮圧に注力している。
外部との通信が遮断されたイラン市民の一部は、イーロン・マスクのテスラ最高経営責任者(CEO)が率いるスペースXが運用する衛星インターネット網スターリンクを利用してきたが、最近はこれさえも接続が容易ではないとされる。
この日、改革志向のマスード・ペゼシキアン・イラン大統領も国営放送の演説でデモ隊を狙い、「われわれの安保・国防機関が断固として鎮圧すべきだ」とし、「暴動や公共の場への攻撃、モスクへの放火、そして『神の書』(コーラン)を焼く行為などはすべて米国とイスラエルの計画であり陰謀だ」と批判した。
モハンマド・バーゲル・ガーリーバーフ・イラン国会議長は、介入を示唆してきたドナルド・トランプ米国大統領をめぐり「妄想に陥っている」とし、「イラン攻撃は域内のすべての米軍基地と軍事施設、艦船などを合法的な攻撃目標にするだろう」と警告した。