36年前、パナマの軍事独裁者マヌエル・ノリエガが自国で拘束され米国へ移送される場面が、2026年に南米大陸でそのまま再現された。ドナルド・トランプ米国大統領がニコラス・マドゥロ・ベネズエラ大統領の逮捕事実を発表した3日(現地時間)は、36年前にノリエガが米軍に投降して移送された日付と正確に一致する。

マヌエル・ノリエガ将軍が米国麻薬取締局(DEA)捜査官の支援を受け、米空軍の輸送機に搭乗している。/聯合ニュース

米国が他国の領土で現職指導者の身柄を確保し自国の法廷に立たせたのは、ノリエガ事例以降で今回が2度目である。当時も国際社会では、一国の現職国家元首の生殺与奪権を当該国の領土で米国の特殊部隊が振るうのは妥当かをめぐる議論が起きた。

米国はこれを押し切り、ノリエガの処罰を自国の司法手続きに合わせて推し進めた。専門家は過去のノリエガ事例に照らし、マドゥロ逮捕をめぐる国際法論争が拡大しても、米国が裁判を中断する可能性は低いと予想した。トランプ政権が強調する米国優先主義の基調上、国際的な批判と米国内の司法手続きが異なる方向に動きうるという説明である。

◇「国家元首」の免責特権を外し「麻薬犯」で起訴

ノリエガは1980年代にパナマを事実上統治した軍部の実力者だった。冷戦期には米国の情報機関に協力した。主に中南米での工作と情報活動を支援する諜報資産の役割を担った。その後、コロンビアの麻薬カルテルと結託し、パナマを麻薬の中継通路として活用したとの疑いが強まり、米国との関係がこじれた。

当時米国は、実質的国家元首だったノリエガを麻薬犯罪の被疑者と規定した。外交的免責特権をめぐる論争を避ける狙いだった。1989年、パナマの選挙無効化で正統性の危機が高まると、米国はノリエガ政権を不法な権力と指定した。

マドゥロもまたノリエガと似た経路をたどった。マドゥロは2013年の執権以降、2018年と2024年の大統領選で勝利したと主張した。しかし国際社会はマドゥロに不正選挙の疑いを提起した。米国は執権2期目だった2019年からマドゥロを合法的な大統領として認めなかった。

トランプ政権はマドゥロを麻薬テロ共謀容疑で起訴し、1500万ドル(約200億ウォン)の懸賞金までかけた。専門家は、こうした正統性の欠如が、米国が軍事力を動員してマドゥロを連行できた法的な隙間だったと解釈した。

3日、ニューヨーク・マンハッタン南部の米国麻薬取締局(DEA)本部に、ニコラス・マドゥロ・ベネズエラ大統領がDEA捜査官の警護を受けて入っている。/聯合ニュース

米国政府はノリエガの時と同様に、マドゥロにも国際麻薬組織の首魁容疑を適用した。米国司法省は、マドゥロが「太陽のカルテル(Cartel of the Suns)」という麻薬密売組織を率い、米国にコカインを数千トン流入させたとみなした。2020年3月に米国司法省が公開した起訴状によれば、マドゥロは過去25年間、腐敗した国家機関を麻薬密輸の通路として活用した容疑を受けている。

2006年から2008年の外相在任時、マドゥロは麻薬代金を洗浄しようとする密売業者にベネズエラの外交官パスポートを売ったとされる。ウィーン条約は外交官とその家族に対し、接受国における刑事上・民事上の責任を免除すると定める。

密売業者はこの特権を利用し、民間航空機まで動員してメキシコで現金を運搬した。ウィリアム・バー当時司法長官は「マドゥロ政権がコカインを米国に向けた武器として使用した」と指摘した。

◇「逮捕は作戦で、処罰は法廷で」米国の二重トラック

1989年12月、米国はノリエガを捕らえるためパナマに侵攻した。作戦名は「正当な名分(just cause)」だった。米国は米軍と米国人の被害発生を侵攻理由に掲げた。米軍の逮捕網が狭まると、ノリエガはローマ教皇庁大使館に逃げ込んだ。米軍は拡声器でロック音楽を昼夜問わず流し、心理戦を展開した。結局ノリエガはひと月も持たず、1990年1月3日に降伏した。その後すぐに米国マイアミへ移送された。

今回のマドゥロ逮捕作戦は36年前より精巧だった。過去のパナマ侵攻は2万6000人に上る大規模地上軍を投入した全面戦の形態だった。今回は精密打撃と特殊部隊を用い、指導部のみを選択的に排除する高度な技術的作戦に近かった。

3週近くを要したノリエガ逮捕作戦とは異なり、ベネズエラの首都カラカス市内で行われたマドゥロ逮捕作戦は約30分で終わった。その後米軍はマドゥロ夫妻を確保し、USSイオージマ艦に乗せてニューヨークへ移送した。

ドナルド・トランプ米大統領が3日、フロリダ州パームビーチのマールアラーゴ・クラブで、ニコラス・マドゥロ・ベネズエラ大統領の逮捕に関する記者会見を行っている。/聯合ニュース

法曹界の専門家は、マドゥロがノリエガがたどった道をそのままたどると見通した。ノリエガは米国で麻薬密売と資金洗浄の容疑により懲役40年を言い渡された。その後減刑を経て17年を米国で服役した。その後、麻薬資金がフランスの銀行・不動産に流れ込んだとの理由でフランスへ引き渡され再び裁判を受け、フランスとパナマの刑務所を行き来する中で生涯を終えた。

マドゥロも数年にわたる裁判と長期収監、その後の政治的な身柄引き渡しという経路をたどる可能性が大きい。マドゥロは間もなくニューヨーク南部地方法院で、麻薬テロ共謀、コカイン輸入共謀、機関銃および爆発物所持など4つの主要容疑について裁判を受ける予定だ。同じ容疑で起訴され米国側に協力中のカルバハル・バリオス元ベネズエラ軍情報局(DGCIM)局長は、最小60年から最大無期懲役が言い渡される見通しだ。専門家はこの刑期を根拠に、マドゥロも残りの生涯を刑務所で過ごさねばならないと見立てた。

ベネズエラ本国へ再送還される可能性は低い。米国はマドゥロ政権を犯罪集団と規定している。ベネズエラ国内に、マドゥロを引き受けて裁判できる信頼に足る司法体制が整っていないとみる。専門家は、マドゥロもノリエガと同様に米国内での服役を終えた後、政治状況や減刑の有無に応じて第三国やベネズエラの新政権に引き渡されうると見通した。

米国のシンクタンクであるカトー研究所は「裁判所はノリエガの前例を根拠にマドゥロ裁判への司法権を承認するだろう」とし、「マドゥロは残りの生涯を連邦スーパー・マックス(Supermax)刑務所で過ごす可能性が非常に高い」と見立てた。スーパー・マックス刑務所は主にテロリスト、連続殺人犯、組織犯罪者など最も危険な犯罪者を収容する最高等級の矯正施設である。ハリウッド映画の舞台にたびたび登場し、一般には脱出不可能な悪名高い刑務所として刻まれている。

3日、チリのコンセプシオンで、チリ在住のベネズエラ人がニコラス・マドゥロ大統領の拘束を祝っている。/聯合ニュース

◇パナマ式の民主化はベネズエラでも通用するか

米国政府は当面ベネズエラを直接統治するとした。トランプ大統領はマドゥロ逮捕直後、「適切な移行が行われるまで米国がベネズエラを運営する」と明らかにした。過去、米国はパナマでノリエガ移送直後にギジェルモ・エンダラ政権を前面に立て、迅速に民主化を成し遂げた。

ただしベネズエラの状況はパナマよりはるかに複雑だ。パナマは1990年当時、人口が200万人に過ぎない非産油国だった。ベネズエラは世界最大の原油埋蔵量を保有する資源大国である。ロシア、中国のような国連安全保障理事会の常任理事国とも緊密な利害関係で結びついている。ロシアと中国はマドゥロ拉致直後、「米国が自国の法律を根拠に他国の指導者を拉致する行為は国際秩序を破壊する」と述べた。

米国内の一部専門家は、マドゥロの処罰をめぐって法廷闘争が予想より長引く場合、別の国際的紛争の火種になりかねないとの懸念を伝えた。APは専門家の話として「マドゥロはノリエガよりも身分の問題がはるかに複雑だ」とし、「米国が2019年以前にマドゥロを大統領として認めていた記録が、法廷闘争で変数になりうる」と指摘した。

カトー研究所のクラーク・ネイリー研究員は「主権を有する他国で軍事行動を行う手段として大統領が『起訴』という手段を使えば、議会が持つ宣戦布告権は大統領の裁量に従属する」と述べ、「これは権力分立のシステムが大統領優位の体制へ変質するという危険な兆候である」とした。

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