欧州委チェコのドゥコバニ原発支援案を詳細調査へ

欧州委員会がチェコ政府によるドゥコバニ新規原発2基の建設・運営支援案がEUの国家補助金規則に適合するかを精査するため、詳細調査に着手した。また韓国水力原子力がドゥコバニ原発事業の本契約を締結した後にチェコが示した金融支援と電力価格保証措置も調査対象に含めた。

欧州委は22日（現地時間）に声明を出し、チェコがドゥコバニ敷地の5号機と6号機の建設に向けて推進中の支援案について「完全には適合しない可能性がある」として本格調査の開始を明らかにした。

チェコ政府は新規原発2基の建設費を賄うため、低利で230億〜300億ユーロ規模の融資を提供し、生産電力に対して40年間の最低価格を保証する差額決済契約（CfD）を設定する案を10月に公表した。政府が持分を保有する原発運営コンソーシアムに収益の安定性を付与する設計である。

EUは原発投資に対する公的支援が経済活動を促進し得る一方で、長期間の価格保証メカニズムが支援の必要性と比例性の観点で国家補助金規則と抵触するおそれがあるかを検討する趣旨だと説明した。

今回の詳細調査でチェコの支援案が規則違反と判断されれば、事業の資金調達とスケジュールに負担が増すとの見方も出ている。

EUは別途、チェコ原発の入札競争で韓国水力原子力に劣後したフランス電力公社が、韓国水力原子力がEUの域外補助金規則に違反したとして提起した異議についても予備調査を進めている。