サンタクロースの故郷として世界的な愛顧を受けてきたフィンランドのロヴァニエミが、ロシアのウクライナ侵攻とフィンランドのNATO(北大西洋条約機構)加盟を機に、おとぎ話の村から軍事の要衝へと変貌している。
英国ガーディアンなど海外メディアによると、最近ロヴァニエミを訪れた観光客はトナカイそり体験の最中、頭上を軍用機が轟音を立てて通過する場面を目撃したり、サンタの洞窟の家の近くに設置された防空壕を見て当惑を隠せずにいる。観光客は「サンタの故郷の村でさえ、欧州が戦争中である現実を回避できない」とし、苦々しい反応を示した。
実際にロヴァニエミが位置するラップランド地域は、フィンランドとロシアの国境(約1340km)の4分の1が集中する戦略的要衝だ。とりわけロヴァニエミから北東に60km離れたロヴァイェルヴィには、ロシア国境からわずか100kmの距離に西欧最大規模の軍事訓練場が構えており、軍事的緊張感がかつてなく高まっている。
最近ではアレクサンデル・ストゥブ・フィンランド大統領の参観のもと、NATO同盟軍の砲術訓練「ライトニング・ストライク24」が実施されるなど、軍事活動が本格化している。
先月にもフィンランド軍2200人と500余りの装備が動員された実射訓練「ノーザン・ストライク225」が開かれ、この過程で韓国製の天武多連装ロケットのポーランド輸出型である「ホマル-K」が登場し、注目を集めた。
この地域は今後、ロシアと接するNATO同盟国の兵力を中心に編成された前方地上軍の新たな拠点として機能が一段と拡張される予定である。ガーディアンは、今月クリスマスを前にサンタをテーマにした施設が見物客でにぎわう一方、そのすぐ近くではフィンランドとスウェーデン、英国の軍人が実戦訓練を行い、物々しい要塞の雰囲気を醸し出していると現地の様子を伝えた。