22日（現地時間）、ニューヨーク株式市場は人工知能（AI）関連株の上昇と年末ショッピングシーズンへの期待が重なり、一斉に上昇した。とりわけS&P500指数は今月の下落分をすべて取り戻し、2018年以降で最長となる8カ月連続上昇の記録に迫った。
この日ニューヨーク証券取引所（NYSE）で、大型株中心のS&P500指数は前営業日比0.6%上昇して取引を終えた。指数を構成する500銘柄のうち約400銘柄が上昇するなど、市場全体に温かい雰囲気が広がった。優良株中心のダウ工業株30種平均は前日比228ポイント（0.5%）高の4万8362.58を記録し、ハイテク株中心のナスダック総合指数も0.5%上昇して取引を終えた。
「マグニフィセント7（M7）」をはじめとする巨大テック株がこの日の相場を主導した。とりわけ電気自動車の主力株テスラとAI半導体の先頭走者エヌビディアが上昇をけん引した。足元ではAIバブル論への一部懸念も出ていたが、投資家はむしろAI技術の実質的な収益創出力と将来の成長性にあらためて期待を寄せる様子だ。
専門家は、今回の上昇相場が一部銘柄に限られず市場全体へ広がっている点に注目した。中小型株中心のラッセル2000指数はこの日1.2%急騰し、大型株よりも鋭い上げ幅を示した。S&P500同等加重指数（Equal Weighted Index）も0.7%上昇し、特定のビッグテック企業だけでなく多様な企業が均等に評価されていることを示唆した。
ウォール街の専門家は、年末効果が今回の強気相場の核心的な原動力だと分析した。リタ・ナザレト・ブルームバーグ戦略家は「市場全般に流れる楽観的なムードが年末の買いを刺激している」と述べ、「AIに対するボラティリティ懸念が完全に消えたわけではないが、テックセクターが市場を再び上方へ導く底力を示している」と語った。
マクロ経済指標も株式市場に追い風となった。主要6通貨に対するドルの価値を示すドルインデックスはこの日0.4%下落し、軟調となった。ドル安を受け、国際原油価格と金相場は一斉に反発し、リスク資産選好の心理を下支えした。一方、債券市場では米10年国債利回りが前日比2bp（1bp=0.01%ポイント）上昇の4.17%、FRBの金融政策に敏感な2年債利回りは3bp上昇の3.51%を記録して変動はあったが、株式市場全体に広がった期待感をそぐには至らなかった。
暗号資産市場はやや落ち着いた推移を続けた。ビットコインは8万8109.68ドル近辺で大きな変動なく取引された。イーサリアムは0.2%小幅高の2980.25ドルを記録した。
市場関係者は、今週はクリスマス休暇で取引日数が少ないため、年末の運用成績を確定させようとする機関が「ウィンドウドレッシング」の買いに動くと予測した。ある資産運用会社の関係者は「投資家はインフレ懸念よりも景気のソフトランディングの可能性に比重を置き始めた」と述べ、「特段の悪材料が突発しない限り、現在の堅調な流れが年末まで維持される可能性が大きい」と見通した。